本記事は、DM(ダイレクトメール)の種類やメリット・デメリットを解説したうえで、DMの効果をより高めるための方法について解説します。
DM(ダイレクトメール)は、長らく活用されてきたマーケティング手法です。「DMは古いイメージがあるけど、今でも効果があるの?」「わざわざDMを送るメリットって何?」中にはこのように感じる方もいるのではないでしょうか。
しかしインターネット広告の普及が高まる近年においても、DM(ダイレクトメール)は活用され続けています。
DM(ダイレクトメール)は、商品やサービスの宣伝または集客などの目的で個人や企業宛てに直接送付される広告です。ある程度絞り込まれたターゲット層に確実に届けられることが特徴で、マーケティング手法のひとつとして長年活用されています。
なおTwitterやインスタグラムにおいて、他のユーザーに非公開で行うやりとりも「DM」と言われますが、この場合は「ダイレクトメッセージ」の略です。
DMは、使用する媒体によって主に以下の3種類に分類できます。
長年利用されてきたDMとして一般的なのは、はがきや封書によるものです。一度は手にする確率が高く、視覚的に興味をひくことで内容にも興味をもってもらいやすいでしょう。また、封書に新商品のカタログやサンプルなど顧客のメリットとなるものを同封すれば、開封率も上がります。
郵送DMのデメリットとしては、発送までに時間やコストがかかることです。印象的なDMにするためには、企画をしっかりと練ったり、デザインや制作をプロに外注したりする必要があります。また、郵送自体が発送会社等を介して行うため、その分、メールDMなどと比較するとコストが高くつきます。
それでもインターネットの利用が少ない層にも届きやすいことなどから、現在でも活発に利用されています。
FAXによるDMは、はがきや封書と比べて制作時間や費用を抑えることができます。ほとんどのFAXはモノクロにしか対応していないため、視覚的なインパクトやデザインにそこまで拘る必要がないためです。
一方でFAXによるDMを送信する際に気を配りたいのが、顧客側のコストです。FAXは、送信側の負担は通信費(電話代)のみですが、受信側である顧客が紙代とインク代を負担する必要があります。
あまり頻繁に送信するとクレームに発展するおそれもあるので注意が必要です。顧客がDMの受信を希望しない場合の連絡先をわかりやすい場所に記載するなどの配慮も忘れないようにしましょう。
このようにFAXによるDMは、一部の会員だけの特別セールなど、顧客にとって有益な情報を厳選して流すなど、使い分けも重要となります。
EメールによるDMは、もっともコストや手間がかからないことが大きなメリットです。最新情報をいち早く届けたり、定期的な配信をしたりするのにも向いています。また、サイトのリンクURLなども貼れるため、次のアクションへも誘導しやすいでしょう。
ただし受信側の設定によって迷惑メールフォルダに分類されてしまったり、件名だけを見て必要ないと感じられたりすれば、内容がまったく伝わらない可能性もあります。
<DMの種類>
DMの種類 | メリット | デメリット | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
はがき・封書 | ・視覚的にアピールできる ・サンプルなどを同封できる ・幅広い層に届く |
制作時間やコストがかかる | ||||
FAX | 制作時間、コストが低い | 受信側のコストがかかる | ||||
Eメール | ・制作時間、コストがかからない ・Webサイトへのリンクを貼れる |
開封されない可能性もある |
インターネット広告など新しいマーケティング手法が誕生してもなお、DMは活用され続けています。
DMならではのメリットとはどのようなものなのでしょうか?また、デメリットについても理解したうえで取り入れることが大切です。
DMは送付する相手によって伝える内容を変えられるため、よりターゲットにマッチした情報を届けることが可能です。例えば、購入履歴から好みに近そうな新商品を案内したり、顧客歴の長いリピーター層には限定キャンペーンの告知をしたりできます。
それぞれの顧客の求める情報を届けることができれば、おのずと得られる効果も期待できるでしょう。
DMは、インターネット広告やテレビ広告などと比べて幅広い層に届けることが可能です。インターネットを使用しない人、テレビをあまり観ない人は一定数存在します。そのような層も含めて訴求できることがDMの強みです。
DMは、時には時間差で効果を得ることができます。例えばインターネット広告は、その場でクリックするなどのアクションを起こさなければ流れてしまいます。一方でDMは意図的に処分されない限り手元に残ります。届いてすぐにアクションを起こさなくても、後に見直した際に問い合わせをするなどのアクションにつながることもあるでしょう。
当然のことながら、DMを送るためには送付先の住所やメールアドレスなどの情報が必要です。そのため所有している顧客情報が少ないと、送付できるDMの量が制限されてしまいます。DMによるマーケティングを行うには、まずは顧客情報の収集が必要です。
また、自ら収集した情報であっても取り扱いには注意が必要です。個人情報の取り扱いが慎重になっている近年では、一方的にDMが送られてくることに不信感を抱く人も少なくありません。顧客情報を得る際には、DM送付の希望を確認するなどの配慮が必要です。
DMで高い費用対効果を得るのは容易ではありません。特にはがきや封書によるDMの場合、企画から制作・印刷・封入作業など、送付までに多くの工程が必要で、それに伴った費用がかかります。
サンプルを同封したりプレゼント企画を行ったりする場合は、更に追加費用が必要でしょう。かけた費用に見合っただけの効果を得るためには、無作為に大量のDMを送るのは有効ではありません。DMの効果を高めるための施策については、次の項で解説します。
DMの効果を高めるためには、事前の準備が重要です。また、効果測定の結果を基に改善を繰り返すことで、より効果を高めていけるでしょう。
まずはDMを送る目的を明確にすることが重要です。目指す目的によってDMに取り入れる情報やデザイン、DMの種類が異なるためです。
例えば実店舗への来店を促すことが目的であれば、DMを持参することで割引になるクーポンをつけると効果的です。また、Webサイトへの訪問を目的とするのであれば、サイトURLだけでなく、手間をかけずにアクセスできるQRコードを配置するなどの工夫が必要です。
その他にも「新商品・サービスを認知してもらう」「既存客へのリピート購入を促進する」など、DMを送る目的をしっかりと定めましょう。
DMを送ることで達成したい目的に沿って、どの層をターゲットとするかを決定します。目的に合わない層にDMを送っても費用ばかりがかかってしまい、思うような効果は得られないためです。
例えば新商品の購入を促すことが目的の場合、商品の特性から年齢層を絞り込むことができます。また、これまでに似た属性の商品を購入した履歴がある顧客をターゲットとして設定するのも有効です。
このようにターゲットを適切に絞り込むことで、DMを送付する効果も高まるでしょう。
DMを送付することで得られる効果について、具体的な目標を設定します。目標とは、例えば以下のような項目についての具体的な数値です。
・来店数
・Webサイトへのアクセス数
・問い合わせ件数
・商品購入やサービスの成約数
目標値が明確になることで、DMの送付数や掛けられる費用が算出可能となるでしょう。また、目標を達成できなかった場合、今後どのように改善するべきかの検討材料になります。
DMの効果を測るためには、この後解説する効果測定方法を参考にしてください。
DM送付前に設定した目標を達成できているかを確認するために、効果測定を行うことが重要です。
仮に思うような結果が得られなかったとしても、今後の方針を決めるためにも役立ちます。
反応率とは、送ったDMの数に対して顧客から何らかの反応を得られた割合です。DMをきっかけとした問い合わせや来店数などを、DM送付数で割って算出します。
反応件数を正確に把握するためには、DMに以下のような機能をつけるとよいでしょう。
・クーポン
DM自体にクーポン券の機能をもたせ、来店時に提示してもらうなどの方法で利用件数をカウントします。EメールによるDMの場合は、サイト利用時にDM内に記載したクーポンコードを入力してもらうなどの方法が活用できます。
・WebサイトURL/QRコード
DMに掲載したURLやQRコードを経由してWebサイトを訪れた件数をカウントします。より正確なアクセス数を知るためには、DM経由でしか訪問できない専用ページを準備する方法があります。
・SNSキャンペーン
SNSキャンペーンの開催をDMで告知して、その参加数をカウントします。特定のハッシュタグをつけた投稿など、気軽に参加できるものがおすすめです。
成約率とは、商品の売上やサービスへの申し込みなど、最終的な成約までつながった割合です。成約数をDM発送数で割ることで算出します。
反応率の計測と同様に、DMをきっかけとした成約であることを確認できるような仕組みを作っておく必要があります。
獲得単価は、売上などの成約を1件獲得するのにかかった費用です。DM送付にかかった費用を実際の成約件数で割って算出します。
制作費用には、以下にかかった材料費や人件費、外注費などを含めます。
・企画、デザイン費
・印刷費
・同封するサンプルなどの費用
・発送作業費
・送料
獲得単価を算出することで、今後の予算を決めたり企画内容を検討したりする際に役立ちます。
<DMの効果測定>
測定項目 | 内容 | 計算式 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
反応率(%) | 反応を得られた割合 | 反応件数 ÷ DM送付数 × 100 | ||||
成約率(%) | 成約に至った割合 | 成約件数 ÷ DM送付数 × 100 | ||||
獲得単価(円) | 成約1件あたりの費用 | DM制作費 ÷ 成約件数 |
DMを送付する手段は、予算や件数によってさまざまです。この項では、はがきや封書のDMを送付する際の方法について紹介します。
※利用条件や料金は、2021年2月時点のものです。詳細については各リンク先をご確認ください。
メール便の種類 | 対応サイズ・重量 | 利用料金(全国一律) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
クロネコDM便 |
・3辺の合計:60cm以内 ・最長辺:34cm以内 ・厚さ:2cm以内 ・重量:1kg以下 |
1個あたりの上限金額:167円(税込) (数量や出荷形態などの諸条件によって異なる) |
||||
ネコポス |
・大きさ(上限):角A4サイズ(縦31.2㎝以内、横22.8㎝以内) ・大きさ(下限):縦23㎝以上、横11.5㎝以上 ・厚さ:2.5cm以内 ・重さ:1Kg以内 |
1個あたりの上限金額:385円(税込) (数量や出荷形態などの諸条件によって異なる) |
・クロネコDM便
400km圏内の地域は翌々日、400km圏を超える地域では、発送日を含む4日目を目安に
ポスト投函されます。
・ネコポス
一部地域を除いて翌日にポスト投函されます。
クロネコDM便、ネコポスともに、事前に契約を結んだ法人や団体、個人事業主が利用できるサービスです。
メール便の種類 | 対応サイズ・重量 | 飛脚メール便 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
クロネコDM便 |
・3辺合計:70cm以内 ・最長辺:40cm以内 ・厚さ:2cm以内 ・重量:1kg以内 |
重量によって168円~325円(税込) | ||||
飛脚ゆうメール便 |
・縦:34cm ・横:25cm ・高さ:3cm ・重量:1kg以内 |
重量によって115円~456円(税込) |
・飛脚メール便
送付には専用ラベルを使用するため、営業所にて事前登録が必要です。
また荷物の追跡や配達状況の確認ができます。
・飛脚ゆうメール便
佐川急便が差出人となり、配達は郵便局が行うサービスです。
荷物の追跡はできません。
店舗運営に追われてDMの制作や発送をする時間がない、また人手が足りないなどの場合は、発送代行業者を活用しましょう。DMの印刷から依頼できたり、発送後の効果測定まで行ってくれたり、さまざまな代行業者が存在します。
ただし同じ内容でも利用料金などが異なるため、業者を比較検討して依頼先を選ぶのに時間がかかることもあります。
DM発送代行業者をお探しなら、複数の業者から一括見積もりができる「DM発送代行サービス一括.jp」がおすすめです。問い合わせフォームへの入力もしくはフリーダイヤルへ電話するだけで、条件に合った業者を必要な数だけ紹介してくれます。
一括見積もり依頼のためのサービス利用料や手数料は一切かかりません。業者選びの手間と時間、費用を節約できるので試してみる価値はあるでしょう。
インターネット広告など新しいマーケティング手法が広がる近年においても、DMは活用され続けています。
DMの効果を高めるためには、事前に目的や目標をしっかりと定めること、また送付後の効果を測定して今後につなげることが重要です。
DM制作や発送の作業は専門業者に外注することも可能なので、一括見積もりサービスなどを通じて検討してみるのもよいでしょう。