【2021年度版】個人事業主の確定申告初めてガイド~効率化のポイント~

毎年の確定申告は、個人事業主を悩ませます。

これまで確定申告を何度もしているという方でも面倒に感じるといいますが、初めての人はなおさら不安なものです。「方法や必要なものが全く分からない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、個人事業主が確定申告を行う際に気をつけるべきことや、便利な会計アプリを紹介します。

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個人事業主は確定申告が必要?

会社員であれば会社が所得税を天引きするため、個人で確定申告を行う必要はありません。しかし個人事業主になると、税金や社会保険料が給与から差し引かれる、ということがなくなります。個人事業主は年度末に確定申告をして、税金を納めなければなりません。

しかし、個人事業主でも確定申告が必要ない方もいます。原則として、所得が年間38万円以下の場合には、課税の対象になりません。

これは、所得がある人すべてに課せられる「基礎控除」が、一律38万円と定められているためです。38万円以下の場合には基礎控除の範囲内となり、課税の対象にはなりません。

ただし、申告の必要がなかったとしても、確定申告をしないと家が借りられなくなったり、事業資金の融資が受けられなくなったりする場合があります。医療控除が受けられないこともあるため、所得が38万円以下の場合でも申告は行うようにしてください。

確定申告の種類

確定申告をする上で初心者を悩ませるのが、その種類ではないでしょうか。確定申告には青色申告と白色申告があり、特徴も異なります。

青色申告

青色申告というのは、不動産所得や事業所得、山林所得を持つ人が毎日の取引を帳簿に記し、確定申告書で申告するものです。

青色申告では、基本的に複式簿記で帳簿をつけなければならず、手間がかかります。ただし、代わりに事業で得た儲け分から最大65万円を差し引いて申告することが可能で、課税額を減らせるのが大きなメリットです。

青色申告をする場合には、確定申告の前に税務署に申請を出す必要があるため注意が必要です。また、申告をしても税務署から認められなければ青色申告を行うことはできません。

白色申告

白色申告というのは、青色申告の申請書を提出していない人が行う確定申告の制度です。青色申告をしようと思っていても、申請を忘れてしまうと白色申告しかできないので注意しましょう。

以前は青色申告よりも手間がかからず楽に行えるのが魅力でした。しかし、2014年度以降はすべての白色申告書に帳簿の記帳や帳簿の保存が義務化されており、現在は手間としては青色申告とさほど変わりません。

確定申告を効率的に行うコツ

確定申告は、どうしても時間がかかるものです。少しでもスピーディーに進めるため、効率的に行うための方法を以下にまとめました。

会計アプリを活用する

面倒な確定申告を簡単に終わらせるために、会計アプリを利用するのがおすすめです。

会計アプリでは支払いを入力していくことで、自動で書類を作成することができます。自分で1から計算をしなくても書類が作ることができ、初心者には特におすすめです。

また、クレジットカードを連動させられる会計アプリもあります。忘れがちなクレジットカードの明細も、抜け漏れなく管理することができます。

時間がない、自分で管理をするのが苦手だという人は、簡単に処理をしてくれる会計アプリを使ってみましょう。

領収書を保管しておく

個人事業主になるのであれば、「領収書」の大切さも頭に入れておかなければなりません。

課税の対象となるのは、収益から経費を差し引いた分です。経費が多くかかればかかるほど、その分課税額は少なくなります。

領収書というのは、経費を計上する際に重要な証明となるものです。領収書を管理しておかないと、経費の計算ができず課税額を増やしてしまうことになります。

領収書はまとめてファイリングしておくか、袋に入れて保管しておきましょう。時間があれば月ごとに整理しておくと、いざ確定申告をするとなった時に効率的に作業ができます。

確定申告時に領収書の提出は必要ありませんが、青色申告の場合は原則として、領収書や通帳を7年間分保存することが義務付けられています。白色申告に関しても、請求書や見積書は5年間保存しなければなりません。

帳簿をこまめにつけておく

確定申告をする際に必要になるのが、帳簿の作成です。

確定申告の時期が近づいたら慌てて始めるという人も多いですが、時間があるときにこまめにつけておくと、焦ることがありません。日付や収支をまとめておくだけでも確定申告時の負担が減ります。

また、あとになって当時のことを思い出して記入していくというのは、ミスもしやすく骨が折れる作業です。記憶が新しいうちに記録しておくことで、スムーズに帳簿の作成が進みます。

おすすめの白色申告・青色申告アプリ

白色申告や青色申告にはアプリを使うのが便利だと紹介しましたが、どんなものを使ったらいいのかわからない方も多いと思います。

そこでここからは、おすすめのアプリをピックアップして紹介します。

やよいの青色申告 オンライン



利用料金 ベーシックプラン:6,000円/年間
※次年度より12,000円/年間
無料体験期間 1年間(セルフプラン)
※次年度より8,000円/年間
タイプ クラウド型

「やよいの青色申告 オンライン」は、スマホからすぐに項目を入力することができます。出先で発生した経費は後で管理しようと忘れてしまいがちですが、このアプリでは経費を支払ったその場ですぐに入力することができます。

入力し忘れを防ぐことができる上に、最近の収支を一括でまとめてチェックすることができるのも嬉しいポイントです。お金の流れをこまめにチェックでき、帳簿作成にも役立ちます。

マネーフォワード クラウド確定申告



利用料金 パーソナルプラン:11,760円/年間
無料体験期間 1ヶ月
タイプ クラウド型

「マネーフォワードクラウド 確定申告アプリ」は、銀行口座の情報を自動取得して帳簿を作成してくれる機能が魅力的です。

お金の出入りであるキャッシュフローの計算も自動で行うことができ、一つずつ計算していく必要がありません。

また、銀行情報やクレジットカードの情報を一元管理できるのも魅力のひとつです。収支を管理することで、お金の流れを一目で把握することができます。

スマホとPCを同期するのも一瞬なので、ひとまずスマホで入力をしておいて、パソコンで帳簿を作成したいという場合にも便利です。

マネーフォワードは機能性に優れている分、デザインはシンプルになっています。操作もしやすく、初心者でも見やすい設計になっているのが大きなメリットです。

会計freee(確定申告)



利用料金 スタータープラン:11,760円/年間
無料体験期間 30日間
タイプ クラウド型

「会計freee(確定申告)」は、青色申告と白色申告の両方に対応しています。収入や支出を入力する際の勘定項目が豊富で、どんな項目で登録したらいいのかわからない、というときにも便利です。

また、銀行口座やクレジットカードの取引の記録を自動で読み込むことができます。クレジットカードの入力は忘れがちなため、この機能があると非常に便利です。

また、直近の取引も一目で確認することが可能で、帳簿をつけるのが面倒だという人の強い味方と言えます。

確定申告について、よくわからないと悩む初心者向けのサポート機能も充実。○や×で回答することで確定申告を簡単に進めることができるのが大きな魅力です。

青色申告・白色申告のTaxnote



利用料金 3,500円/年間
無料体験期間 無期限※入力制限あり
タイプ クラウド型

「Taxnote」は、支払った経費を3ステップで簡単に登録することができます。

支払った額を入力すると、自動で仕訳帳を作成してくれる嬉しい機能が付いています。仕訳データはExcelや会計ソフトにそのまま出力することができ、帳簿作成だけでなく決算書の作成にも役立ちます。

確定申告の方法

初心者の場合、確定申告と言われても何から始めたらいいのかわからないということもあるでしょう。ここからは、具体的な確定申告の方法を紹介していきます。

確定申告の書類を用意する

確定申告は、専用の申告書に記入をして提出しなければなりません。

個人事業主として活動するためには、事前に管轄の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しましょう。これを提出することで、確定申告に必要な書類が届きます。

さらに、青色申告をする場合には確定申告の前に税務署に申請する必要があります。申請を忘れてしまうと自動的に白色申告しか利用できなくなってしまうこともあるので、注意しましょう

確定申告の提出先

確定申告で必要な書類は、管轄の税務署長に提出することになります。

確定申告は毎年行われますが、会場はさまざまです。また、会場に行かずオンライン上や郵送で申告することも可能です。

まずは自分の管轄の地域の確定申告会場がどこなのか、あらかじめチェックしておくことが大切です。確定申告会場は国税庁のホームページで確認することもできます。

「確定申告会場を間違えて申告ができない」ということが起こらないようにしましょう。

確定申告の期間

確定申告は、いつでもできるというわけではありません。基本的に確定申告を行う期間は決まっているため、期間内に忘れずに申告を行いましょう。

税金は、前年1月〜12月までの分を翌年の3〜4月頃に支払うことになります。そのため、確定申告は2月16日〜3月15日までに行うのが原則です。

上記の期間を過ぎてしまうと確定申告ができなくなります。未納によるペナルティが発生してしまうこともあるため、要注意です。

また、会場で確定申告を行う際は、税務署が空いている時間に行かなければならなりません。

税務署は基本的に、月曜〜金曜の8時30分〜17時まで営業しています。ただ、確定申告会場によって申告可能時間が異なるため、書類などであらかじめ確認しておきましょう。

確定申告の提出書類

確定申告をする際には、必要書類を揃えて提出する必要があります。

白色申告の場合には「確定申告書B」と呼ばれるものと、「収支内訳書」の提出でOKです。青色申告の場合には、「確定申告書B」と「所得税青色申告決算書」が必要です。

確定申告の際に必要となる帳簿や領収書・預金通帳などは、基本的に申告時に提出する必要はありません。

ただ、これらの書類は、7年間保管する義務があります。あとで不備が見つかって税務署から連絡が来た時に対応できるように、処分しないように気をつけましょう。

提出方法

確定申告用の書類は、税務署に持って行って提出をするのがもっとも一般的です。ただ、事情があって期間中に確定申告会場に行けないという場合には、郵送で提出することもできます。

また、近年では「e-Tax」と言うインターネットを利用して手軽に確定申告書を提出できる方法もあります。

パソコンに慣れている方は、「e-Tax」を使った方がスムーズに書類の作成や提出ができるので、利用してみると良いでしょう。

確定申告を行う際の注意点

確定申告を行う場合には、何点か気をつけなければならないことがあります。できる限りスムーズに進めるためにも、以下のポイントをチェックしておいてください。

クレジットカードの明細を忘れない

帳簿をつける際に忘れがちなのが、クレジットカードの明細です。経費にできるものがあっても、クレジットカードの明細を忘れていると節税できないこともあります。

クレジットカードの明細を郵送で受け取るようにしている方は良いですが、電子明細を利用している人は注意が必要です。

電子明細ではチェックするのを後回しにしてしまうと、閲覧期限が切れてチェックができない、という事態にもなりかねません。

クレジットカード会社に連絡をして確認をすることもできますが、手間や時間がかかってしまいます。また、手数料が取られてしまうこともあるので注意しましょう

確定申告を怠ると、罰金や罰則が科せられることもある

確定申告は、個人事業主や個人での所得が一定額を超える人には、義務化されている制度です。

面倒な作業ではありますが、怠って申告し忘れてしまうと罰金が科せられることもあります。早めに準備をしておきましょう。

確定申告自体をしないと「無申告加算税」というものが科せられます。

期限後に申告をしてしまうと、納税額のうち50万円までは15%、それ以上になると20%の納税の義務が生じます。ただし、自分から申告をすれば課税額は5%に減ります。

また、納税の期限を過ぎても支払いがない場合には「延滞税」がかかります。

これは、年度や状況によって課税額が変動するものです。延滞税の心当たりがある場合は、国税庁のホームページから計算することができます。

確定申告をしないことで上記2つのペナルティが科せられてしまい、さらに負担が重くなります。還付金はなくなり、さらに医療費控除が受けられなくなることもあるため要注意です。

当然ですが、一番の禁忌事項は悪質な所得隠しです。

所得に虚偽があったり、不正に所得を少なく申請しているのが発覚すると「重加算税」というものが科せられます。納税率の40%という非常に重いペナルティがあるので、十分注意してください。

まとめ

個人事業主の確定申告の効率化について解説しました。本来の仕事の合間に確定申告を進める必要あるため、いかに時間をかけずに申請を行うかは大変重要です。

また、源泉徴収額が多い場合は確定申告をきちんと行うことで節税に繋がります。個人事業主になる前後で準備するべきことなどを着実に進め、確定申告直前になって慌てることのないようにしましょう。