EC・ネットショップ|開業届は提出必要?開業申請&手続きガイド

スマートフォンを片手にPCを見て悩む女性

「ネットショップやECサイトを新規開業したいけれど、開業するときの手続きがよく分からない……」このようなお悩みはありませんか?
今回は、EC・ネットショップを開業する際に提出する「開業届」について、ご紹介します。提出先や届出のタイミング、他に必要なものなどについてもご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

EC・ネットショップに開業届は提出必要?

そもそも開業届とは?

開業届とは、事業を新規で始めるとき、あるいは事務所・事業所の新設・増設・移転・廃止したとき、そして事業を廃止するときに行う手続きのことです。書類としての開業届は、「個人事業の開業・廃業等届出書」が正式な名称で、事業を始めるタイミングで提出します。

開業届は提出必要?

EC・ネットショップを開業する際、開業届の提出は必ずしなければならないというわけではありません。ただし、提出すれば税法上有利な「青色申告」を行えるなど、今後の経営に際して大きなメリットがあります。可能であれば提出した上で、事業を始めると良いでしょう。
開業届の書類入手から提出までの手順は、以下のとおりです。

1.税務署へ書類を請求して届けてもらうか、管轄の税務署へ直接もらいに出向く。

2.必要事項を正しく記入し、税務署へ返送するか管轄税務署の窓口に提出する。

3.必要であれば、開業届と同時に青色申告の書類を入手し、提出期限までに記入・提出する。

青色申告を行えば確定申告時の控除額が増え、節税になるため個人事業主には特におすすめです。

EC・ネットショップの開業届の提出法

開封し紙を取り出す

それでは、EC・ネットショップの開業届の提出法をご案内します。
初めて提出される場合、慣れない書類に戸惑うかもしれませんが、順を追って記入していけば難しくありません。以下のご案内も参考にしてください。

開業届の書き方

1.ご自身が事業を行う場所の管轄税務署を調べ(国税局サイトで見られます)、その税務署の名称と、届出の日付を書きます。

2.納税地(自宅、または事務所がある住所)を記載し、氏名・生年月日・マイナンバー(任意)・職業・屋号を記入します。

3.届出の区分には開業地住所、事業開始事由、開業日を記します。

4.事業の概要には、どのような事業を行うかについて記入しましょう。

5.従業員がいる場合は、人数や給与形態を記します。

不明点は税務署の窓口で尋ねると詳しく教えてもらうことができます。よく分からない場合は税務署に出向いてその場で記入する方法もおすすめです。

EC・ネットショップの開業申請&手続き

スマホ片手に箱から取り出す人

ネットショップやECサイトを開業したからといって、どのような商品やサービスを取り扱っても良いというわけではありません。商品・サービスによっては、開業届以外にも申請が必要になる場合があります。
以下は、取り扱う商品に対して必要な届出と申請先の例です

開業届以外に届出が必要なケース

1.中古品(買い取りや販売)の場合
 ・届出:古物商許可(古物営業法)
 ・申請先:所轄の警察署(生活安全課)

2.食品を販売する場合
 ・届出:食品衛生法に基づく営業許可(食品衛生法)
 ・申請先:所轄の保健所

3.酒類を販売する場合
 ・届出:通信販売酒類小売業免許(ネットで複数の都道府県へ販売の場合。酒税法)
 ・申請先:所轄の税務署

その他、医薬品や化粧品、健康食品や輸入品などの通販をする場合にも各種申請が必要です。これらの申請には法令上必須とされているものも多いため、確実に手続きをしましょう。

カード決済やコンビニ決済の場合

ネットショップ・ECサイトの場合、振込や代引きなど従来の支払い方法に加え、クレジットカード決済やコンビニ決済を導入すると良いでしょう。購入者側の利便性が増し、売上アップに効果的です。
可能であれば、店舗をオープンするまでにこれらの決済方法が利用可能になるよう、手続きを済ませておくことがおすすめ。

おわりに

今回はネットショップ・ECサイトを開業する際に必要な手続きや、事前にしておいた方が良い手続きについてご紹介しました。
公的申請については多くの方が意識すると思いますが、カードやコンビニでの決済を利用可能にする手続きも売上を上げるには大切な作業。いざ店舗をオープンする段階になって慌てないよう、早めに準備を開始すると良いでしょう。