ネットショップで導入すべき決済方法について徹底比較【クレジットカード・後払い・コンビニ・銀行振込】

ネットショップの決済方法を検討中の運営者の方へ、決済方法ごとの特徴や選び方のポイントについて詳しく解説します。

ネットショップに導入する決済方法の種類は、売上を左右することもある重要なものです。しかし自社のネットショップに適するものがわからないという運営者の方も少なくないでしょう。

本記事では、実際に利用されている割合が多い4つの決済方法について比較し、導入するための方法まで詳しく解説します。

ネットショップで実際に利用されている決済方法とは

ネットショップで実際に利用されている決済方法とは

もっとも多く利用されている決済方法はクレジットカード

多様化する決済方法の中で、ネットショッピングにおいてもっとも利用割合が多いのはクレジットカードです。

令和元年(2019年)に総務省が行った調査によると、インターネットを通じて商品やサービスを購入した際の決済方法は、以下のような割合であることが報告されました。

総務省「令和元年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」

引用元:総務省「令和元年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」

さまざまな決済手段の中でもっとも多く利用されているのは「クレジットカード払い」(75.5%)で、続く「コンビニエンスストアでの支払い」(38.4%)に対して倍近くの差をつけています。

更に「代金引換」(24.0%)、「銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替」(23.3%)と続き、オフラインでの決済方法を利用する人の存在も見過ごせません。

前回の調査と比較すると割合的には減少しているものの、一定数の需要があることは間違いないでしょう。

オフライン決済の需要が落ちない理由

インターネットショッピングでありながらオフライン決済を選択する理由としては、以下のようなことが考えられます。

  • オンラインで利用できる決済手段をもっていない
  • ネットセキュリティに不安を感じる

学生など若年層においては特に、クレジットカードなどオンラインで利用できる決済手段をもっていないことも珍しくないでしょう。

また、クレジットカードなどを持ちながらインターネット上では利用しない人がいることも予想されます。以下は、同調査においてインターネット利用に対して感じる不安についての回答です。

総務省「令和元年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」

引用元:総務省「令和元年 通信利用動向調査報告書(世帯編)」

「架空請求やインターネット詐欺にあわないか」「電子決済を信用できるか」などは、オンライン決済への不安を表しています。

これらの不安を感じる人であれば、初めて利用するネットショップなどではあえてオフラインの決済方法を選択することもあるでしょう。

4大決済方法を比較!それぞれのメリット・デメリット

大決済方法を比較!それぞれのメリット・デメリット

前項で紹介した調査結果より、利用者の割合が高い4つの決済方法について比較します。また、それぞれの決済方法に対するネットショップ側のメリット・デメリットを解説します。

クレジットカード決済

ネットショッピングでクレジットカード決済を行う方法はいたってシンプルです。商品注文時にクレジットカード情報を入力することで、その場で決済が完了します。

ネット上でのカード利用に抵抗のない人にとっては、もっとも簡潔でスピーディーな優れた決済方法です。時間や場所も限定されず、いつでもどこからでも都合のよいタイミングで決済を行うことができます。

クレジットカード決済によるネットショップ側のメリット

商品の注文と同時に決済が完了するため、ショップ側はすぐに発送準備にとりかかることができます。また、商品代金未払いのリスクも極めて低いでしょう。

歴史が長く普及率が高い決済方法のため、ネットショップに導入するメリットは大いにあるといえます。

クレジットカード決済によるネットショップ側のデメリット

クレジットカードを所有するためには一定の条件があるため、利用者は限定されてしまいます。場合によっては、ネットショップの購入者層とマッチしないこともあるでしょう。

また、クレジットカード利用による決済手数料は、ショップ側が負担することが一般的です。手数料の支払いが運営を圧迫しないような価格設定などの工夫が必要になります。

コンビニ決済

コンビニ決済は、購入者がコンビニエンスストアの店頭で支払いを行う決済方法です。商品購入後に番号やコードなどを通知する前払い式、商品に払込票を同封して発送する後払い式があります。

クレジットカードのように利用者を限定せず、誰でも選択可能なこともコンビニ決済の大きな特徴です。また、多くのコンビニエンスストアは24時間営業に対応しているので、購入者の都合でいつでも決済を行うことができます。

来店の手間さえ気にならなければ、購入者にとっては気軽に利用できる決済方法といえるでしょう。

コンビニ決済によるネットショップ側のメリット

前払い方式を採用した場合、ネットショップ側は入金を確認してから商品を発送できるため代金未回収のリスクがなくなります。また、後払い方式の場合、注文後すぐに発送準備にとりかかることができます。

いずれの場合でも、事前登録された情報をもとに決済されるため払い込み額のミスが起こりにくいこともコンビニ決済のメリットです。

コンビニ決済によるネットショップ側のデメリット

前払い方式の場合、注文から決済完了までのタイムロスが発生し、商品発送など次の作業に移りにくいというデメリットがあります。後払い方式の場合は、期限を過ぎても決済されないなどのトラブルが起こる可能性が生じます。

また、導入方法によって異なりますが、支払票の作成や送付などショップ側の作業が増えてしまうこともデメリットといえるでしょう。

代金引換

代金引換は、購入者の元に商品が到着するタイミングで同時に決済を行う方法です。配送を担当する業者が商品代金と送料、一般的には代引手数料も併せて購入者から回収します。

オンライン決済に抵抗があったり、コンビニや金融機関に支払いに行くのも手間だと感じたりする購入者には好まれる決済方法です。

代金引換によるネットショップ側のメリット

ネットショップ側にとって代金引換は効率のよい決済方法です。すぐに商品を発送することがきるうえ、代金未回収のリスクも極めて低いといえるでしょう。

代金引換によるネットショップ側のデメリット

代金引換は、配送業者が購入者と対面できることが前提の決済方法です。そのため購入者の不在が続いて受け取り期限切れになってしまうなどのケースも少なからず起こりえます。商品が返送されてくれば、往復の送料をネットショップ側が負担することになってしまうためコスト的にも大きなマイナスです。

銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替

ネットショップ側が指定する金融機関(銀行や郵便局)の口座に、商品代金を振り込んでもらう方法です。

インターネットが普及する以前からある決済方法のため、年齢層の高い購入者などにも受け入れやすいことが特徴です。

ただし、金融機関の窓口やATMの営業時間には制限があるため、購入者によってはなかなか決済するタイミングが取れないこともあるでしょう。

銀行振込・郵便振替によるネットショップ側のメリット

金融機関での振込(振替)では、決済時に手数料を徴収することが一般的なため、ネットショップ側の負担はありません。

また、前述したように、幅広い層に受け入れられやすい決済方法のため、ネットショップに導入しておくことで購入者の離脱を防ぐことにもつながります。

銀行振込・郵便振替によるネットショップ側のデメリット

ネットショップにとって金融機関への振込(振替)は、入金確認の手間がかかる決済方法です。場合によっては、購入者が実際に入金した日付とのズレが生じることもあります。

なお近年ではオンライン上で振込を行うネットバンクも普及しています。しかし前項で紹介した調査報告では「インターネットバンキング・モバイルバンキングによる振込」よりも「銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替」の利用者が多いことがわかります。

ここでも、購入者が直接金融機関の窓口やATMに出向いて決済を行う場合についてのケースとしています。

【決済方法別 ネットショップ側のメリット・デメリットまとめ】

クレジットカード決済 ・注文と同時に発送準備にとりかかれる
・商品代金未払いのリスクが低い
・利用者が限定される(カードをもてない人もいる)
・カード会社への決済手数料をショップ側が負担する
コンビニ決済 ・利用者の制限がない
・前払い式の場合、代金未回収のリスクがない
・前払いの場合、注文から決済完了まで時間がかかる
・後払いの場合、代金未回収のリスクがある
代金引換 ・注文後すぐに商品を発送できる
・代金の未回収リスクが低い
購入者の不在や受け取り拒否などで返送されることもある
(往復送料をショップ側が負担しなければならない)
銀行振込・郵便振替 ・幅広い層に受け入れられやすい
・決済手数料の負担がない
入金確認の手間がかかる

このように決済方法によってそれぞれのメリット・デメリットがあるため、ネットショップに適したものを選ぶ必要があります。

次の項では、決済方法を選ぶポイントについて解説します。

ネットショップに導入する決済方法の選び方

ネットショップに導入する決済方法の選び方

選び方①複数の決済方法を選ぶ

ネットショップに導入する決済方法はひとつに限定せず、複数のものを選びましょう。

購入者にとっては、複数の選択肢の中から自身に都合のよいものを選べるのが理想的です。希望する決済方法が用意されていない場合、購入を諦めて他のネットショップを探しにいってしまうこともあるでしょう。

言い方を変えれば、決済方法の選択肢が多いことで購入者の離脱を防ぐことができます。

このように複数の決済方法を用意することは、結果的に売上アップが期待できるため、ショップ側にとっても大きなメリットなのです。

選び方②ネットショップの購入者層に合わせて選ぶ

決済方法は、ネットショップごとの購入者層にマッチしたものを選ぶ必要があります。

一言でネットショップといっても、取り扱う商品などにより客層は様々だからです。主な購入者層の年齢や性別などによって、利用しやすい決済方法は異なります。

そのためには、自社のネットショップの客層を正確に把握し、適した決済方法を選択するように意識しましょう。

選び方③長期的なコストを考慮して選ぶ

初期費用だけでなく、長期的な運用コストも決済方法を選ぶ際に見過ごせないポイントです。

決済手数料をショップ側が負担する場合、当然のことながら商品が売れるたびに支払い金額が膨れ上がります。また月額サービス利用料など、売上額に関わらず必要な費用などもあるため、よく比較することが重要です。

ただし、同じ決済方法であっても、自社サイトへの導入方法によって費用が異なることもあります。決済方法の種類だけでなく、導入方法についても検討が必要です。

次の項では、決済導入方法について解説します。

自社ネットショップへの決済導入方法

自社ネットショップへの決済導入方法

自社ネットショップへ希望の決済方法を導入するためには、主に以下3つの方法があります。

導入方法①ネットショップの決済機能を利用する

ネットショップ開業サービスを利用して制作したショップの場合、決済機能が備わっていることが一般的です。

新たな手続きをする必要がなくすぐに利用できるため、もっともシンプルでスピーディーな方法といえるでしょう。

ただし、決済方法の種類はサービスごとに異なるため、必ずしも希望のものを利用できるとは限りません。

また、初期費用が無料のサービスなどの場合は特に、決済手数料が高めに設定されていることもあるため注意が必要です。

導入方法②決済会社と直接契約をする

希望する決済方法を自社サイトに追加するために、決済会社と直接契約を交わす方法です。

しかし、導入したい決済方法の数だけ契約を交わす手間がかかるうえ、中小規模のネットショップの場合は申請が通らないことも珍しくありません。

あまり現実的な方法ではないため、実際には次に解説する決済代行サービスを利用することが一般的です。

導入方法③決済代行サービスを利用する

決済代行サービスとは、複数の決済方法を一度にまとめて導入できる便利なサービスです。実店舗だけでなく、既存のネットショップに希望する決済機能を追加することもできます。

ネットショップの構築と決済導入を分けて考えることができるため、それぞれ自社に合ったものを選択できるのが大きなメリットといえるでしょう。

決済方法の種類を増やし、売上高アップを狙いたいネットショップにおすすめのサービスです。

次の項では、ネットショップ向けの決済代行サービスを選ぶポイントについて解説します。

ネットショップの決済代行サービスを選ぶポイント

ネットショップの決済代行サービスを選ぶポイント

決済代行会社を選ぶ際には、希望する決済方法やコストはもちろん、次のようなポイントを意識して比較するようにしましょう。

ポイント①自社ネットショップのシステムに対応しているか

システム同士の相性は、最初に確認すべき重要なポイントです。

ネットショップに決済代行サービスを導入するためには、両者のシステムを連携する必要があるためです。非対応のシステム同士の連携も不可能ではないものの、新たな開発費用が発生するため現実的ではありません。

決済代行サービスを選ぶ際には、自社ネットショップのシステムが標準対応しているかを確認しましょう。

ポイント②決済代行サービスを提供する企業の信頼度

決済代行サービスを提供する企業の信頼度も、契約前に必ず確認しましょう。

ネットショップにとって決済代行会社は、大切な売上金の一時的な預け先でもなるためです。

主に以下のようなポイントを比較し、信頼できると感じる企業を選ぶことが重要です。

  • 企業自体の経営基盤の盤石さ
  • 過去の事例や実績
  • 同業者内での評判
  • セキュリティ面の取り組み

もし何か疑問に感じることがあれば、営業担当者に具体的に質問してみましょう。

ポイント③サービス導入後の使いやすさ

決済代行サービスは、導入後の運用面も考慮して選ぶ必要があります。

希望する決済方法が揃い、初期費用が抑えられたとしても、その後のネットショップ運用を妨げるようでは意味がありません。

  • 管理画面の使いやすさ
  • 操作マニュアルの有無
  • トラブル時のサポート体制

以上のような、スムーズなネットショップ運用のために必要な要素も忘れずに検討しましょう。

次の項では、ネットショッピング向けの決済代行サービスを提供するおすすめの会社を紹介します。

ネットショップ向け決済代行サービス会社おすすめ7選

決済代行サービス会社 クレジットカード コンビニ決済 代引 銀行振込
GMOペイメントゲートウェイ
DGフィナンシャルテクノロジー
ペイジェント
ゼウス
アルファノート
GMOイプシロン
アナザーレーン

GMOペイメントゲートウェイ株式会社


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/コンビニ決済/代引決済/口座振替/キャリア決済/電子マネー決済/PayPal決済/楽天ペイ/Amazon Pay/GMO後払い決済 他多数
セキュリティ対策 不正防止サービス(ReD)/3Dセキュア/セキュリティコード認証/トークン決済/チャージバック補償団体保険

GMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する「PGマルチペイメントサービス」は、法人運営のネットショップ向けの決済代行サービスです。

クレジットカードの不正利用が起きた際などに備え、クレジットカード・セキュリティガイドラインにも対応しています。

株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(旧ベリトランス株式会社)


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/コンビニ決済/銀行決済/キャリア決済/電子マネー決済/PayPal決済//Apple Pay/後払い決済(コンビニ、郵便局での後払い) 他
セキュリティ対策 3Dセキュア/セキュリティコード認証/不正検知サービスラインナップ

株式会社DGフィナンシャルテクノロジーが提供する「VeriTrans4G」は、多機能・高セキュアな決済方法の導入に役立つマルチ決済サービスです。

国内はもちろん、海外からの購入者を想定するネットショップにも対応しています。

株式会社ペイジェント


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/コンビニ決済/ATM決済/キャリア決済/銀行決済(ネットバンク対応)/楽天ペイ/Apple Pay/後払い決済 他
セキュリティ対策 3Dセキュア/通信データの暗号化

株式会社ペイジェントは、株式会社NTTデータと三菱UFJニコス株式会社が半々に出資しており、経営基盤の安定感も魅力の決済代行会社です。

多様な決済方法を提供するほか、セキュリティ面では、国際的な基準「PCI DSS」に完全準拠しています。

株式会社ゼウス


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/コンビニ決済/銀行決済/キャリア決済/電子マネー決済/後払い決済(コンビニエンスストア・銀行・郵便局・スマホ決済アプリによる後払い) 他
セキュリティ対策 3Dセキュア/セキュリティコード認証/不正検知サービス/チャージバック保証サービス

株式会社ゼウスでは、最短3営業日で導入可能なスピーディーさも魅力の決済代行サービスを提供しています。

またネットショップへの接続方法の豊富さや、24時間体制のコールセンターも運営者にとって心強いポイントです。

株式会社アルファノート


導入できる主な決済方法 クレジットカード払い/コンビニ払い/ペイジー決済/オンライン電子マネー決済/デビットカード/キャリア決済
セキュリティ対策 3Dセキュア/セキュリティコード認証/不正検知サービス/チャージバック保証サービス

株式会社アルファノートの提供するオンライン決済(Web決済)は、豊富な決済方法に加え、継続課金の自動決済も可能です。

ネットショップと決済機能の連携が不可能、またはネットショップを開設していない場合でも決済可能な「メールリンク型決済サービス」を提供しています。

GMOイプシロン株式会社


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/コンビニ決済/銀行振込・口座振替/ネット銀行決済/電子マネー決済/代引/GMO後払い決済 他
セキュリティ対策 プライバシーマークの取得/SSL暗号化通信/ISO27001への適合認証を取得

GMOイプシロンでは、個人でも契約できる決済代行サービスを提供する会社です。

分割決済や早期入金サービスなどのオプションも豊富で、ネットショップの状況に合わせて利用できます。

アナザーレーン株式会社


導入できる主な決済方法 クレジットカード決済/電子マネー決済/AL後払い(コンビニ・銀行・ATMでの後払い)
セキュリティ対策 プライバシーマークの取得

アナザーレーン株式会社では、ネットショップに欠かせないオンライン(Web)決済代行サービスを提供しています。

また、クレジットカードを所有していない層でも利用できる後払い決済にも対応しており、需要に合わせた柔軟なプランを選択できます。

おわりに

インターネットショッピングでは、クレジットカードに代表されるオンライン決済だけでなく、コンビニ決済や銀行振込などオフラインによる決済方法も需要があります。

ショップ利用者の中には、希望する決済方法が備わっていないことで離脱してしまうこともあるでしょう。機会損失を防ぎ売上アップを図るためには、ネットショップの購入者層に適した決済方法を導入することが重要です。

複数の決済方法を効率的に導入するためには、決済代行サービスの利用がおすすめです。