起業に必要なお金は実際どのくらい?
移動販売の形態をとるキッチンカーは、調理設備を備えた車のことで、近年人気が上昇しています。初期費用の低さや店舗を持たずに開業できる気軽さが魅力ですが、キッチンカーにも営業許可や車の購入などの費用が必要です。移動販売の開業にかかる費用や、必要な許可について解説します。
まずは、キッチンカーを使った移動販売に必要なものを確認しておきましょう。
キッチンカーは、購入もしくはレンタルでも手配することができ、小型の軽自動車からトラックまで、大きさや設備内容などさまざまなタイプがあります。店舗の規模や出店する環境(スペースを広くとれるか否か)により選ぶとよいでしょう。
コンロ・コーヒーメーカー・冷蔵庫・洗い場等、調理や飲食物を提供するのに必要な設備を用意しましょう。
丁・お皿・コップ・エプロン等、細かな備品も必要です。
食品を扱う場所には、「食品衛生責任者」の資格を持つ人が最低でも1人は必要です。この資格は、食品衛生協会による「食品衛生責任者養成講習会」の受講で取得できます。医学系の学校を修了している人、調理師や栄養士の免許を持っている人は受講が免除されます。
保健所や販売場所の営業許可が必要です。次の項目で解説します。
キッチンカーでの移動販売で必要な営業許可をご紹介します。
まずは保健所の検査をクリアして営業許可を受ける必要があります。保健所は地域によって管轄が違うため、まずは営業する地域の保健所に相談に行きましょう。営業許可を得るためのおおまかな流れは以下のとおりです。
仕込み場所がキッチンカーとは別の場所にある場合、そこでも営業許可を取得する必要があります。基本的には許可が下りた地域でしか販売できないので注意が必要です。
勝手に道路や施設内にキッチンカーを停めて販売することはできません。必ず販売したい場所の所有者に許可をもらって営業しましょう。
飲食物だけでなく、その場で飲食できる場所も提供する場合は、喫茶店営業・飲食店営業の許可も必要です。
キッチンカーの初期費用は100~500万円程度で、平均約200万円と言われています。初期費用のほとんどはキッチンカーの購入費で、車そのものの価格と、調理設備の価格が初期費用を大きく左右します。
中古の軽自動車を購入すれば費用を抑えられますが、海外のおしゃれな新車を購入すればその分費用がかかります。調理設備も、冷蔵庫とコンロだけなのか、高価なエスプレッソマシーンやキッチンを備えているかどうかで価格差が出てきます。
初期費用を抑えたい場合は、キッチンカーをレンタルする方法もおすすめです。
レンタル料金は1日3~10万円程度で、土日祝日は高くなる傾向があります。初期費用を抑えたい場合は、レンタルも検討してみましょう。
他にも大々的に宣伝したい場合は広告費がかかりますが、自身でSNS等を使って告知するなら費用を抑えられます。調理器具やコップなどの備品を購入する費用も必要なので、最低でも100万円程度は用意しておきましょう。
店舗を構えるのとは異なり、毎月の家賃やフロア改修費、撤去費など、費用を抑えられるのが移動販売(キッチンカー)の魅力です。さらに、もし出店先で売れ行きが振るわなくても気軽に場所を変えられます。このような理由から今人気のキッチンカーですが、開業には許可や資格、最低でも100万円程度の費用も必要となるため、事前にしっかり準備をしておきましょう。