小売・物販(雑貨・アパレル等)開業の流れ

「好きな物を仕入れて売ってみたい」「商品の知識を活かして、自分のお店を出したい」または「いつか独立して自分の店舗を構えたい」と考えている方にとって、小売店(物販)の開業に必要な資金・資格の有無は気になるのではないでしょうか。このコラムでは、小売店(物販)を開業するまでの流れをご紹介します。

小売店(物販)の開業準備についてもっと知りたい!

小売店の開業に必要な資金

小売店の開業にはどの程度の資金が必要でしょうか。まず目安をご紹介します。 小売店の開業にかかる資金は大きく分けて以下の2つがあります。

  • 店舗物件の取得費用
  • 店舗投資にかかる費用

「店舗投資にかかる費用」とは、店舗の改装などにかかる費用のことです。
なお、東京の都心に小売店を開業する場合「少なく見積もっても1,000万円は必要」といわれます。1,000万円を用意するとなると、自己資金のほか「国民金融公庫」など開業支援のための融資を受ける方も少なくなさそうです。 しかし、立地や取り扱う商品の品目などによってはこの限りではないでしょう。地方で開業するケースや、在庫をあまり抱えずに済むように工夫すれば、開業資金を抑えることも可能です。

小売店の開業に必要な資格

小売店の開業に際して、必ず持っていなければならない資格は基本的にありません。ただし、取り扱う品目によっては免許・資格が必要なケースがあります。 例えば、古着をお店で取り扱う場合には「古物商」の免許が、雑貨などとともに食品も取り扱う場合は「食料品等販売業の営業許可」が必要です。

小売店開業の流れ

1.店舗のコンセプトを決める

店舗のコンセプトづくりは重要な要素です。「何を売るお店にするのか」「どのようなお客さんに来てほしいのか」「店内の雰囲気はどのようにするか」など決めておきましょう。

2.開業場所を決める

開業場所

立地やロケーションが店舗のコンセプトに合っているか、交通アクセスは良いかなど事前に調査を行って、開業場所を決めましょう。ただ単に「物件の家賃が安いから」「建物の雰囲気が自分好み」といった理由だけで選ぶのは、あまりおすすめできません。立地の利便性や周辺環境(どのような人が集まりやすい土地か)なども大切です。 小売店の場合は特に「路面店(人通りの多い道に面した店)」で、人目につきやすい「1階」の物件がおすすめです。

3.店舗設計を考える

店舗設計

開業場所が無事決定できたら、次は店舗の設計を検討する必要がありますね。販売する商品や、お店のコンセプトをじっくりと考え、それらに合わせた店舗設計をきっちり練っておくことが、開業後の売上アップのポイントになります。

1.工事期間・費用を把握する

物件の種類を確認し、工事にかかる期間や費用の目安を把握しておきましょう。店舗向け物件の種別には、おもに2つがあります。室内に元々ある内装や設備などをそのまま使用できる「居抜き物件」と、コンクリート下地のみの造りで壁や天井を設える必要のある「スケルトン物件」の2種に分けられるのです。 居抜き物件の場合は工事費用も低く済みますが、スケルトン物件の場合には1,000万円単位で費用が掛かることを想定する必要があります。工事期間もスケルトン物件であれば長くかかりますから、その間にもかかる家賃を含めて考える必要があるでしょう。

2.参考図面やイメージ画像を用意しよう

店舗デザインを依頼する前に、希望するイメージによく似た写真や、参考になる図面などをあらかじめ用意しておきましょう。それに加えて実店舗の図面も用意し、できるだけ具体的なイメージを伝えやすくするのがポイントです。 希望するイメージを具体的に伝えられないと、デザイン料などが高くなってしまうこともあります。

3.店舗デザインの依頼先はどこが良い?

デザイン会社・設計会社はお近くにも数多くあるかもしれませんが、住宅を得意とするところや企業事務所が得意なところなどもあります。小売店のデザインを頼む場合は、小規模店舗での実績が豊富な設計・デザイン会社を見つけて依頼すると良いでしょう。ご自身で見つけられれば何よりですが、それほど時間がないならマッチングサービスなどで合った依頼先を見つけてもらう方法もあります。

4.事業計画

どのように店舗を運営していくかを明示した「事業計画」は、必ず詳細・正確に作っておきましょう。特に、金融機関から事業資金の融資を受ける場合には、事業計画書を提出しなければ審査も行ってもらえません。 事業計画に必要な要素は「事業の目的」「開業に必要な資金と調達の手段」「今後3年ほど後までの収支予測」「資金繰りに関する詳細を明示した表」など。「自分の店舗はどのようなお店なのか」が、ご自身ですぐに説明できる内容で立案・作成しましょう。

5.届出

開業の際には、税務署に以下の届出を行いましょう。物販を専業にする店舗の場合は、開業に際しての手続きが少なく済むメリットがあります。 ・税務署へ「開廃業届出書」の提出 ・「青色申告承認申請書」の提出 青色申告の申請は必須ではありませんが、確定申告時に所得税を軽減できるため申請しておきましょう。

小売・物販の仕入先の考え方

仕入先

店舗で物を売るためには、売る商品がなければいけません。そのためには、商品の仕入れ先を見つけて仕入を行うことが必要ですね。仕入先を見つけるには、同業者などの紹介や展示会などに参加することが近道でしょう。

もっとも望ましい手段は信頼できる人から長くお付き合いできそうな仕入先を紹介してもらうことですが、難しい場合はインターネットなどで検索して仕入先を探すこともできます。また、地域密着を重視して商売をしていきたいと考えるなら、地元の商工会などに問い合わせて紹介してもらう方法でも良いでしょう。 ネットで検索して仕入先を探す場合は、「仕入れたい商品名+問屋」「商品名+卸売」「商品名+商社」などで検索すると見つけやすいかと思います。

長く付き合える仕入先を見つけるポイントは?

仕入先の取り扱う「商品の良さ」はもちろんですが、取引の条件や納品期日の速さ、担当さんとのお付き合いのしやすさなども見極めて選ぶ必要があります。「商品の良さ」についてさらに具体的に説明すると、質や価格のほか知名度や信頼性、品ぞろえの豊富さなどの要素が挙がってきます。

仕入先の経営状況や姿勢も検討材料に

せっかく良い仕入先を見つけたと思ったのに、先方がすぐに経営難になってしまっては長いお付き合いができません。経営状況などをしっかり把握することも大切なので、場合によっては信用情報機関に調査を依頼するなどの下調べを行いましょう。もちろん、同業他社との付き合いがあるならそれらの方々の口コミ情報も有用です。

おわりに

今回は、物販を行う小売店の開業準備について、必要な資金や資格をご紹介しました。小売店の開業には仕入れ先の確保や開店前の広告展開など、今回ご紹介した以外にもさまざまな段取りが必要です。計画から開店までの期日にはできるだけ余裕を持ち、自己資金はなるべく多めに用意しておくことが大切です。理想の店舗を目指して早速準備を始めましょう!

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