起業に必要なお金は実際どのくらい?
小売店の経営には、仕入れや販売などからマーケティング、経理などさまざまな勉強が必要ですが、中でも経理はつまずきポイント部分の1つです。そこで今回は、経営上特に重要になる小売店の「経理」に関する知識をご紹介します。
開業する気は満々なものの、経理はまったくの初心者で何からすれば良いのか分からないとお悩みの方も、この記事を参考にしてみてください。
「小売店」と一口にいっても、その業種や業態によって経理の内容は異なります。
代表的な小売店には次のようなものがあります。
実店舗にお客さまが来店し、商品を購入して持ち帰る形態の販売店はおおむね「小売店」と呼んで差し支えないでしょう。
小売業とは、「ものを仕入れて売る」業種であるといえます。つまり小売店の経理においては、「仕入れ」と「販売」における収支が基本です。これを踏まえて次の項目からは、小売店の経理の詳しい内容についてご紹介します。
小売店は扱う商品数が多くなりがちで、事業規模は大きくなくても管理するアイテム数が膨大になるため、経理も複雑・煩雑になりやすいという特徴があります。
小売店の経理の中身は、大きく分けると以下の3つになることをまず知っておきましょう。
商品を仕入れることに関する業務。初回取引の場合は見積りを取り、購買契約をして発注を行い、届いたら入庫と検収をします。後日締日に支払い締めを行い、実際に代金を支払います。
商品を店舗で販売することに関する業務。在庫商品を店舗で展開し、販売して代金を受け取るまでの過程を管理します。「何を誰にどのくらい(商品・販売先・数量)」、「いつ、いくらで(納期・代金)」売り、その代金をいつのタイミングで受け取ったかなどの情報を管理します。
仕入れと販売が適正に行われても、在庫が多すぎればいつまで経っても収益につながりません。現状店舗で保有する在庫を確認し、収益を得るにあたって適正になるよう管理を行います。
金銭のやりとりが複雑になりすぎると、日々の管理が大変です。
スムーズな経理のためには、例えば、仕入れは法人カードでの支払いに一本化し、お金の流れを把握しやすい状態にするなど、入出金が一目で見えるようにすることがおすすめ。お金の流れが適正に可視化されれば、経営分析もしやすくなります。
帳簿は月に一回集計するもののため、日々の売上や仕入れに関する帳票をマメにチェックすることは非常に大切。帳簿の集計時に計算が合わないなどの事態になれば、追って確認するのは手間がかかります。
日々の入出金状況をしっかり確認しておけば、集計を楽にできると同時に経理の作業自体がシンプルになり正確性を保てます。
先にもご説明しましたが、過剰在庫は収益の邪魔になってしまいます。在庫が多すぎる状態にならないよう、何が売れて何を用意すると多く売りやすくなるのかを常に見極めながら在庫管理をしましょう。
今回は、小売店の経営に欠かせない経理について、その基礎知識についてご紹介しました。原価率が高いといわれる小売業でもっとも大切なことは、売上を確実に収益につなげること。そのためには適切な経営分析などが大事ですが、どんな商品が売れやすいのかなどを分析しやすくするためには収支管理が重要なカギです。
基本的な入出金の流れを随時把握し、そこから利益をどれだけ出せるのかを意識しながら経理を中心に考えることが利益向上につながるでしょう。