美容師になったからには、いつかは開業して自分のお店を持ちたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、右も左もわからないうちに理想と熱意だけで開業しようとしても営業認可はもらえません。
そこで今回は、美容室を開業するにあたって必要な届け出と、最低限用意すべき開業資金についてまとめました。クレジットカード決済のメリットについても触れてあるため、実際に開業を考えている方のご参考になればと思います。
結論から言うと、美容室をゼロから開業するには相当な資金が必要です。まずは場所代。物件を借りる場合は毎月の家賃が、土地から購入する場合は土地代とあわせて固定資産税がかかります。
完全に自分1人で切り盛りする場合は別ですが、基本的に美容室はスタッフがいなければ成り立ちません。何もない状態からスタッフをあつめる場合、求人広告費として毎月10万円程度が必要です。
当然、店内の設備にもお金がかかります。開業に最低限必要な椅子やハサミ、ロッドなど一式そろえるだけでも300万円以上は必要です。
開業してから半年ほどは赤字が続くとして、トータルで見積もると最低でも1,000万円以上の開業資金を用意しておくべきだと言われています。
ほとんどの場合、金融機関から融資を受けることになりますが、融資を通りやすくするためにも、開業資金の半分以上の自己資金は用意した方が良いでしょう。
前述の通り、美容室を開くにはまず、場所と物件を決める必要があります。どこで開業したいかが決まり物件が借りられたら、次にスタッフを募集しましょう。その際、同時進行で美容室のPR活動を周辺地域に向けて行う必要もあります。
ここまでのプロセスをスムーズに進めるためには、事前に美容室のコンセプトをきちんとイメージすることが大切です。技術力を売りにした若者向けの美容室にするのか、お年寄りにも親しみやすいサロンのような雰囲気にするのかなど、メインターゲットを具体的に絞り込んでおけば、コンセプトに沿ったエリアがすぐに見つかります。
また、役所への届け出も重要です。店舗が完成する前に保健所に営業申請を行い、店舗が完成した後は消防署に連絡をして防災設備などが基準をクリアしているかどうかチェックしてもらう必要があります。その他、個人事業主として従業員を雇う場合には、税務署やハローワークへの保険加入申請もしなければなりません。
これまでご紹介したことを全て1人で行うのは難しいため、多くの方はコンサルタントに委託して手続きを済ませているようです。
チェーン展開する美容室ではクレジットカードを使用できるところが多く、「髪を切るだけでポイントが貯まる」とお客さまにも好評のようです。
美容室でクレジットカード決済が導入される場合、ポイント還元によるリピーターの獲得が目的であることがほとんどで、系列店であれば全国どこの店舗でもポイントが使用できるなどの付加価値をつけることで顧客の囲い込みを図っています。
また、美容室はシャンプーやヘアトリートメント、クレンジングオイルなど付属アクセサリーが豊富です。その豊富なアクセサリーを生かし、貯まったポイントとアクセサリーを交換する制度などを設定することで顧客側のインセンティブを高めることも期待できます。
カードの事務処理やデータ管理を代行業者にアウトソーシングすることで、業務効率の向上を図ることができることも、クレジットカード決済を導入する美容室が増えている理由の1つです。
美容室の開業にあたっては、少なくとも1,000万円以上の資金を見積もった方が良いでしょう。金融機関からの融資を受けることはできますが、事業計画などをきびしく精査される上に、トータルコストの半分以上の自己資金がなければ審査通過は難しいと言われています。
リピーター獲得のポイントは、クレジットカード決済によるポイント還元で、いかに顧客側に具体的なメリットを実感させるかが戦略の分かれ目と言えそうです。個人で美容室を開業する場合は業務の簡略化を視野に入れ、決済代行業者のメリットについても下調べをしましょう。
