美容系サロン(エステ・ネイル・ヘア)開業の流れ

美容エステ・サロンは「自宅でも始められる」「商品の在庫を抱えずに済む」などのメリットがあることから、開業を検討中の方もいらっしゃるのではないでしょうか。このコラムでは、美容エステ・サロンの開業に必要な準備や資金・資格などについてご紹介します。

美容エステ・サロンの開業についてもっと知りたい!

美容エステ・サロンの開業に必要な資金

美容エステ・サロンの開業資金

美容エステ・サロンを開業するためには、どのくらいの資金が必要になるのでしょうか。まず美容エステ・サロンの開業資金の目安をご紹介します。

自宅で開業する場合

自宅で美容エステ・サロンを開業するメリットは、なんといっても物件取得費用がかからないことでしょう。ただし、自宅の一室をサロン向けに模様替えするには改装費用や設備費用がかかります。改装費用20~30万円、サロン用機材・設備購入費用30万円、サロン用消耗品購入費用10万円程度がかかるものと想定し、 当面の生活費などを合わせて「開業費用100万円」を目安に考えておきましょう。

物件を借りて開業する場合

どこか物件を借りて美容エステ・サロンを開業する場合は、先ほどご紹介した自宅での開業費用に加え、物件の取得費用が必要です。事業向けマンションでも開業できることから、比較的安い取得費用で済むこともありますが、毎月の家賃がかかることを忘れてはいけません。 もちろん、開業する場所や取り扱うサービスなどによって、開業にかかる費用も変化します。予算に応じて、店舗の規模などを検討すると良いでしょう。

美容エステ・サロンの開業に必要な資格

美容エステ・サロンの開業にあたり、必須資格はありません。 ただしエステティシャンは技能職ですから、資格が説得力を持つことも事実です。エステティックに関する知識や技能を証明するためにも、資格はあることが望ましいでしょう。 以下のような資格を取得している方が多いようです。

  • 認定エステティシャン
  • 認定トータルエステティックアドバイザー
  • AEA認定エステティシャン

  • 資格がないとできない施術も…

    美容エステやサロンの運営に特別な資格は基本的に必要ありません。ただし、施術内容によっては、資格がないと行えないこともあります。 特に美容エステ・サロンなどで取り扱うことの多い、「まつげエクステ」をアイリストとして提供したいのであれば、美容師免許が必要です。以前は特別な資格が必要ありませんでしたが、目元に関する施術ということもありトラブルが頻発したため、2008年からは国家資格である美容師免許が必須となりました。

    美容師免許を取るには、専門学校などに2年以上通い国家試験を受けなければなりません。 ただし、美容師の専門学校ではまつげエクステなど目元に関する専門技術を学べる機会が少なく、美容師免許の取得後にアイリスト向けのスクールに通う方が大半です。そのため、アイリストになろうと思ってから実際に資格を取って開業するには、2年以上は最低必要ということになります。

    このように、まつげエクステなど目元の施術は危険が伴うため、安全に行うことができるように専門技術を磨き、資格を有する必要があるのです。まつげエクステの提供を考えている場合は、スクールに通う費用や期間なども考慮して計画を立てましょう。

    美容エステ・サロン開業の流れ

    ここでは、美容エステ・サロンの開業までに必要な段取りや準備の流れについて、その一例をご紹介します。

    1.店舗のコンセプトを決める

    「どのようなサロンにするか」「ターゲットとなる客層(年代など)」「サロン店内の雰囲気・イメージ」など、基本的なサロンの概要を計画段階できちんと決めておきましょう。

    2.開業場所を決める

    自宅で開業するのか、事業所向けマンションなど賃貸物件にするのか、テナントの店舗スペースを借りるのかなどを決め、必要な資金を算出しましょう。

    3.事業計画を考える

    事業計画

    向こう3年の事業計画を、あらかじめ設定しておきます。「事業の概要や目的」「経営に関する方針や方向性」「今後の展望」「資金繰り」は必ず盛り込み、ご自身で「どのようなサロンにしたいか」をすぐ説明できる内容にしましょう。 また、 金融機関から事業資金などの融資を受ける場合には、事業計画書の提出が必要です。

    4.届出

    開業の際は、以下の届出をしておきましょう。 ・(提供するサービスによるが)保健所への届出 ・税務署へ「開廃業届出書」を提出する ・同じく税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する 青色申告の申請は必須ではありませんが、税制面でかなりお得になるため申請しておくことがおすすめです。

    自宅サロンから店鋪経営にする場合

    自宅サロンから店舗経営へ

    すでに自宅をサロンとして運営している方には、固定客もある程度ついてきたため店舗経営に切り替えたい、と考えている方もいるでしょう。実際に店舗化するにはどのような流れを踏めば良いのでしょうか?

    店舗化までの流れ

    基本的には上記にある通り、店舗のコンセプト・ターゲット層・店舗の雰囲気を考えてから、立地決め、資金繰り、事業計画を立てて開業届を出すという流れは同じです。 ただし、今までは抑えられていた家賃や光熱費などが、店舗経営となると店舗自体の家賃・光熱費が新たに固定費として上乗せされます。 今までと比較してランニングコストが大幅に上がるため、特に資金計画は慎重に考えましょう。

    スタッフ採用の検討

    店舗化をするということは、当然多くのお客様に来てもらい、今までよりも利益を上げたいと考えていることでしょう。しかし、店舗の規模が大きくなるにつれて1人では手が回らなくなる部分が出てきます。細かい事務作業から店内の清掃、会計、フロント業務など、自宅の頃は1人でこなせていたことでも、客数や店が拡大すればスタッフが必要になってくるのです。
    もちろん、実際にどれほどの広さのスペースを借り、同時にどれだけのお客様に施術するのかなどによって必要なスタッフの数は変わりますし、場合によっては1人で事足りるということもあり得ます。
    店舗化の際には、どのように運営していくのかを具体的にイメージし、スムーズに業務を回すにはどれだけの人数が必要なのかを考えましょう。

    宣伝・広告の工夫

    店舗化をすると、今までとは違う場所に店を構えることになります。自宅ではなくなるため、電話番号や住所などを公表しやすくなるというメリットがある反面、すでについている固定客に対して混乱を招きやすくなります。
    今までのお客様に引き続き来店してもらうためにも、店舗化する際には事前に固定客に説明・連絡をしておきましょう。方法としては、ダイレクトメールなどが確実に届くためおすすめです。

    また、上述の通り店舗の情報を公表しやすいため、WebサイトやSNS上で積極的に宣伝してください。新規顧客獲得には宣伝が欠かせません。店舗のイメージ、店内の雰囲気や内装、また施術メニューや料金表、アクセス方法などお客様が知りたい情報を詰め込めるのがWebサイトの効果です。
    すでにサイトをお持ちの場合も、店舗化とともにサイトもリニューアルすることをおすすめします。他店にはない個性的な魅力や強みがあるなら、自信を持って記載しましょう。

    おわりに

    今回は、美容エステ・サロンの開業に必要な準備や資金・資格についてご紹介しました。準備を入念に行うことはもちろん必要ですが、 サロンの経営を軌道に乗せるためには施術メニューに関するアイデアや、他のサロンと差別化できるポイントも大切。「他店にはない特徴」を打ち出せるよう、計画段階から綿密にコンセプトを作ることも重要です。

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