個人事業主に税理士は必要?メリットや依頼するタイミングについて詳しく解説

個人事業主に税理士は必要?メリットや依頼するタイミングについて詳しく解説

個人事業主として独立すると、経費の集計や確定申告など煩雑な経理業務を自分で行わなければなりません。

本記事では、個人事業主が税理士に依頼するタイミングやメリット、費用についてわかりやすく解説していきます。そろそろ税理士をつけようか迷われている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

事業規模が小さいうちは何とかこなせるものの、売上高が高くなればなるほど作業負担は増えていきます。書類整理に時間がかけられなくなり、税理士への依頼を本格的に検討されている方もいるのではないでしょうか。

税理士ができる業務

税理士ができる業務

個人事業主が税理士への依頼を検討する場合、税理士がどのような経理処理を行うのか具体的な業務内容を知っておく必要があります。

個人事業主を担当する税理士が担う業務は、大きく3つに分けられます。

1.税務代理
2.税務書類の作成
3.その他税務に関する相談

ここからは詳しい業務内容を見ていきましょう。

①税務代理

税理士は、税務に関わる手続きを代行することができます。

具体的には下記の業務内容などがあります。

●法人税や所得税など国税の申告
●予定納税額の減額申請
●税務署の決定に異議がある場合の不服申し立て

税の申告に関わる手続きはすべて税理士に依頼できると考えてOKです。

②税務書類の作成

税理士に依頼すると、税務署や市役所へ提出する税務書類の作成もお願いできます。

税理士が作成する税務書類は、以下の種類などがあります。

●確定申告書
●決算書
●青色申告書
●総勘定元帳
●源泉所得税納付書
●給与計算にまつわる書類

原則として、税務官公署へ提出する書類は納税者本人が作成しなければなりません。

しかしながら、現実には個人事業主がこれらすべての書類を準備するのは難しいため、税理士による書類作成の代理が認められているのです。

③税務相談

税理士は、税務全般や経営に関する相談も受けてくれます。

よくある相談の例には、下記などがあります。

●節税方法
●納税額の算出
●事業計画
●経営方針

税理士は、自分自身ですべての責任を負わなければいけない個人事業主にとって、頼もしい相談相手といえます。

個人事業主が税理士に依頼するメリット

税理士に経理業務を依頼することで得られるメリットは以下の5つです。

1.本業に専念できる
2.会計帳簿を正しく作成できる
3.節税できる
4.経理社員を雇うよりも低コストである
5.焦らずに確定申告ができる

ここからは、それぞれのメリットについてより詳しく説明していきます。

メリット①本業に専念できる

経理処理、とりわけ税務に関する手続きは非常に煩雑で、書類の準備や税金の計算には大きな手間がかかります。

事業主本人が領収書の整理や帳簿管理に時間を取られ、本業がおろそかになっては本末転倒です。

手間のかかる税務手続きを税理士に依頼すれば、面倒な経理業務から解放されます。節約した時間は本業に集中できるので、生産性を上げたい個人事業主にとって大きな利点となるでしょう。

メリット②会計帳簿を正しく作成できる

個人事業主の中には、市販のソフトを使って会計帳簿を作成している方が多いかと思います。

税務についての知識があり、かつスピーディに帳簿づけできる方は良いですが、現実には会計帳簿を正確に作成できる個人事業主はそう多くはいないはずです。入力したデータの正確性を判別するのも非常に難しいでしょう。

その点、帳簿作成を税理士へ依頼すればこのような心配は一切必要ありません。税理士は帳簿作成のプロですから、お金に関する書類作成を安心して任せられます。

メリット③節税できる

税務手続きの専門家である税理士は、節税対策に役立つ制度や特例に精通しています。

専門外の個人事業主では思いつかない方法を提案してもらえるため、経営の効率化につながる節税対策が実現できます。

税についての制度や法律は絶えず変化していくため、最新情報を持つ税理士ならば個人事業主にプラスとなるアドバイスをしてくれるはずです。

メリット④経理従業員を雇うよりも低コストである

経理や総務担当の従業員を雇用すると、当然ながら人件費が発生します。

経理の給与相場は1ヶ月あたり15〜20万円ほどで、年間で見ると200万円以上の人件費が発生する計算です。

一方、税理士の顧問料は1ヶ月あたり数万円が相場のため、従業員を雇うよりも経費を安く抑えられます。少しでも費用を抑えたい方は、毎月の契約はせずに確定申告のみ依頼することも可能です。

メリット⑤焦らずに確定申告ができる

個人事業主の中には、確定申告の時期に業務が増えて毎年多忙な日々を過ごしているという方もいるでしょう。

個人事業主の確定申告には、収支内訳書もしくは青色決算書、確定申告書の作成が必要です。これに加え、1,000万円以上の売上があると消費税の確定申告もしなければいけません。

税理士に依頼すると、これらの面倒な事務処理はすべて税理士が代行してくれます。期日直前に徹夜で書類作成することもなくなり、ギリギリで焦ることなく確定申告ができます。

税理士に依頼した場合の費用相場

税理士に依頼した場合の費用相場

個人事業主が税理士に依頼するとさまざまなメリットがある一方で、気になるのが税理士への報酬です。

報酬は年商や訪問回数、確定申告の依頼の有無によって異なるので、目安として以下の費用相場を参考にしてください。

<個人事業主の税理士報酬の相場>

年商 顧問料(年間) 決算・確定申告費用(都度)
〜500万円 50,000〜70,000円 〜70,000円
〜1,000万円 120,000〜200,000円 〜100,000円
1,000万〜3,000万円 200,000〜300,000円 〜120,000円
3,000万〜5,000万円 250,000〜350,000円 〜150,000円

税理士と顧問契約を結ぶと顧問料が発生します。顧問料は、税理士ができる3つの業務(税務代理・税務書類の作成・税務相談)にかかる費用のことです。

年商500万円未満の場合、帳簿づけは個人事業主が行い年に一度の確定申告のみ税理士に依頼する、というスポット契約を行う方が多いでようです。

年商が上がるにつれ顧問料も高くなりますが、税理士に頼むことで面倒な経理業務の負担を軽減できます。事業拡大によって経理業務が難しくなってきたと感じる方は、税理士への依頼を検討した方が良いかもしれません。

個人事業主が税理士に依頼するタイミング

個人事業主が税理士に依頼するタイミングは、売上が1,000万を超えた時がひとつの目安となります。

その理由は、売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生するからです。

消費税の申告が必要になれば、その分経理に関する業務量が増えます。税務の知識に自信がない方は、納税額を計算するのも一苦労かと思います。

経理業務による負担が減り、かつ売上が伸びるのであれば個人事業主にとってそんな嬉しいことはありません。売上1,000万円未満でも、面倒な経理業務から解放されたいと思う方は税理士への依頼を本格的に検討してみることをおすすめします。

税理士を選ぶ際のポイント

いざ税理士に依頼しようと思っても、全国に多数ある税理士事務所の中から自分に合う税理士を選ぶのはとても大変なことです。

個人事業主にとって有益な税理士を選ぶには、以下5つのポイントを確認しましょう。

1.顧客目線に立ってアドバイスをしてくれるか
2.節税対策に積極的か
3.税理士報酬を明瞭に提示しているか
4.経営について相談できるか
5.スピード感のある対応ができるか

ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

ポイント①顧客目線に立ってアドバイスをしてくれるか
一人ひとりの顧客目線に立ち、的確なアドバイスができるかは税理士を選ぶ上で非常に重要な判断基準です。

税理士と相性が合わないことを不満に思う個人事業主は多いようです。「親身に対応してくれない」「説明がわかりにくい」などの理由から、税理士の変更を検討する方もいます。

税理士に相談する際は、相手が高圧的な態度でないか、経営を向上させる熱意があるかなど
をしっかりと見極めましょう。

ポイント②節税対策に積極的か
実のところ、節税に対する考え方は税理士によって大きく異なります。

節税対策は税理士の業務であるという明確な定義はなく、節税を提案するかどうかは税理士一人ひとりの判断に委ねられている部分が大きいからです。

サービス精神のある税理士は、活用できそうな税制は積極的に提案してくれます。一方、節税は税理士の業務外と捉える人なら適切な納税をサポートすることに重きをおくでしょう。

明確な定義がない以上、「節税に積極的でない税理士=サービスが悪い」とは言えません。しかしながら、節税対策を提案してもらえることは税理士を雇うメリットのひとつです。

せっかく税理士に依頼するのですから、節税に対してどのような考えを持っているかはきちんと確認しておくと安心です。

ポイント③税理士報酬を明瞭に提示しているか
税理士を選ぶ際は、明瞭な料金表を提示しているかどうかをチェックしましょう。

税理士報酬は年商や訪問回数によって変動するのが一般的です。税理士報酬の根拠を明確に提示してくれる税理士であれば、依頼する際も安心です。

報酬はお互いの信用問題にも関わる部分です。余計なトラブルを防ぐためにも、具体的な報酬と業務内容はセットで確認することをおすすめします。

ポイント④経営について相談できるか
単独で事業経営を行う個人事業主にとって、経営相談ができる相手は心強い存在です。

経験豊富な税理士であれば、資金調達や役員報酬の決め方、財務体質を強くする方法など個人事業主にとって有益なアドバイスが期待できます。

事務処理以外にどのような相談ができるのか、税理士の実績も含め質問してみるといいでしょう。

ポイント⑤スピード感のある対応ができるか
複数の顧客を抱える税理士の場合、質問に対する返答に時間がかかることがあります。

特に年度末は、確定申告の期日が近づくにつれ税理士の業務量は増加します。しかしながら、それは個人事業主も同じであり、連絡が遅くなって良い理由にはなりません。

現に、税理士のレスポンスが遅いことに不満を感じる個人事業主は非常に多いようです。税理士を探す際は、こちらの質問に対し何日程度で返答がもらえるかを確認しておくといいでしょう。

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おわりに

経理業務を代行し経営相談に乗ってもらえる税理士は、個人事業主にとって非常に心強い存在です。

本業に専念する時間が増えるほか、コスト削減や節税対策ができることにより、個人事業主は大きな利益を生むことができるでしょう。

経理業務を一人でこなすのが難しくなったと感じる方は、ぜひ一度税理士への依頼を検討してみてください。