【店舗向け】モバイル決済(スマホ決済)導入でキャッシュレス対応!おすすめの決済サービス4選

本記事では、実店舗向けのモバイル決済(スマホ決済)サービスについて解説します。

さまざまなキャッシュレス決済が普及する中で、効率的に複数の決済方法を導入したいとお考えの店舗経営者の方はぜひ参考にしてください。

キャッシュレス決済にはさまざまな種類があり、どれを導入するべきかお悩みの店舗経営者の方も少なくないでしょう。

これからキャッシュレス決済を導入するなら、モバイル決済サービスの利用がおすすめです。

本記事では、モバイル決済を導入するメリットやサービスの選び方について詳しく解説します。

モバイル決済(スマホ決済)とは?

モバイル決済(スマホ決済)とは?

「モバイル決済」の2つの意味

「モバイル決済」が表す意味は広く、実はハッキリとした定義も存在しません。一般的には、以下で紹介するふたつの意味で使われることが多いでしょう。

消費者にとってのモバイル決済

消費者にとって「モバイル決済」とは、商品の購入やサービスを利用する際に、モバイル端末(主にスマートフォン)を用いて支払いを行うことです。

従来の現金払いやカード払いではなく、さまざまな決済方法に連携させたスマートフォンによる支払いは珍しいものではなくなってきているでしょう。

事業者にとってのモバイル決済

「モバイル決済」のもうひとつの意味は、商品やサービスを提供する事業者が導入する決済システムを指します。

モバイル端末(スマートフォンやタブレット)に専用の機器を連携させることで、さまざまなキャッシュレス決済を導入する方法です。

なお決済方法の種類や手数料などの費用は、モバイル決済サービスを提供する企業によって異なります。

<モバイル決済とは>

消費者にとって スマートフォンを用いて支払いをすること
事業者にとって モバイル端末に連携した決済システムのこと

このように「モバイル決済」にはふたつの意味が存在し、一般的には消費者にとっての意味の方がイメージしやすいかもしれません。

本記事内における「モバイル決済」とは、店舗運営を行う事業者が取り入れる決済方法について示すこととします。

モバイル決済で利用可能な決済方法の種類

モバイル決済を導入することで利用できる主な決済方法は、以下の通りです。

クレジットカード/デビットカード

クレジットカードやデビットカードは、キャッシュレス決済の中でも長い歴史を持っています。

一定期間に利用した金額がまとめて引き落とされるクレジットカードに対し、デビットカードは決済時に利用額が即時に引き落とされます。

カード会社ごとに加盟店契約をすることもできますが、まとめて複数のカード会社の取り扱いが可能になるモバイル決済サービスを導入する方が効率的と言えるでしょう。

QRコード

QRコード決済は、サービス提供開始時のキャッシュバックキャンペーンなどを展開し、利用者を増加させてきた決済方法です。代表的なものとして「PayPay」「LINE Pay」「楽天ペイ」などがあります。

QRコード決済を行うには、以下2通りの方法があります。

・店舗提示型:店舗側が用意したコードを消費者の端末で読み取って決済を行う
・消費者提示型:消費者の端末に表示されたコードを店舗側が読み取って決済を行う

電子マネー

電子マネーは、ICカードやスマートフォンなどを用いて電子データをやり取りする決済方法です。専用の機器にかざすだけで決済が完了するため、消費者の利便性だけではなく事業者側の作業効率化の面でもメリットがあります。

交通系電子マネーの代表的なものとして「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」、また「Edy(エディ)」や「WAON(ワオン)」などがあります。

以上のキャッシュレス決済は、それぞれを単独で導入することも可能です。しかし利用したい決済方法の数だけ申し込みを行い、それぞれのサービスごとに専用の決済端末を準備したりするのは容易ではないでしょう。

モバイル決済サービスを導入することで、複数のキャッシュレス決済を同時に利用できるようになります。

モバイル決済の導入準備で必要なもの

事業者がモバイル決済を店舗に導入するために必要なものを紹介します。

モバイル端末(スマートフォン・タブレット)

モバイル決済は、その名の通りモバイル端末を利用した決済方法です。導入したいサービスに対応するモバイル端末を、店舗事業者が準備することが一般的です。

必ずしも新たに購入することは求められないものの、発売から年数の経過している機種などはサービスに対応していないこともあるので事前の確認が必要です。

専用の決済端末

決済代行会社などを利用してモバイル決済を導入する場合、多くは専用の決済端末が用意されています。

店舗事業者が選べるものではないため、契約した決済代行会社から決められたものを購入、またはレンタルすることになります。タイミングによっては、キャンペーンなどによって無償で手に入ることもあるので確認してみましょう。

インターネット環境

モバイル端末と決済端末を接続するためのインターネット環境は必要不可欠です。利用できる回線がない場合、店舗側で準備することが一般的です。

レシート印字用のプリンター(※必須ではない)

レシートを印刷する場合には、プリンターの準備が必要です。ただし消費者が利用するアプリなどに決済履歴が残るため、レシートを求められることはほとんどありません。

店舗側の事情で印刷したものを残したい場合には、予め準備しておくとと安心です。

モバイル決済(スマホ決済)を導入する5つのメリット

モバイル決済(スマホ決済)を導入する5つのメリット

メリット①導入までのハードルが低い

モバイル決済の最大のメリットは、従来のクレジットカード決済と比べて導入しやすい点です。、中には申し込みから利用開始まですべてオンラインで手続きできるサービスも存在します。

また専用の決済端末はオンラインで接続するため、ネット回線さえあれば工事不要ですぐに利用可能です。更に初期費用や導入後の手数料も、従来のカード決済に比べて低く抑えられる傾向にあります。

このように導入までの手間もコストも抑えられるモバイル決済は、中小規模の店舗運営を行う事業者にも取り入れやすいといえるでしょう。

メリット②店舗運営の効率化

モバイル決済を導入することで、店舗運営における業務効率化が期待できます。

複数の決済方法を1台の端末で対応可能なため、覚えなければならない操作が最低限で済みます。また決済の記録が残るのでレジ締め作業の負担も減るでしょう。更に売上データの記録と会計ソフトを紐づけることで、経理処理も楽になります。
※機能は決済端末により異なります

このように一つひとつの作業効率が上がることで、結果的に人件費の削減にもつながります。
 

メリット③利用シーンが多彩

ネット接続を利用するモバイル決済は、活用シーンが多彩です。

コードレスの決済端末は設置場所を固定する必要がないため、屋外のイベント出店時に持ち出したり、デリバリー先で会計を済ませたりすることが可能です。また店舗内で使用する際にも、客席で会計を済ませることもできます。

特に持ち運ぶ必要がない場合でも、見えない場所に端末を置き必要なときだけ取り出せば、カウンターまわりもスッキリします。

メリット④非接触で衛生的

モバイル決済は、会計を行う店員と消費者の間で受け渡しが発生しないため、衛生面でも優れています。

消費者が決済端末に直接カードやスマートフォンをかざすなど、完全に非接触のまま会計を完了することも可能です。※使用する端末の種類や店舗の会計方法によっては、完全非接触とはならないことも考えられます

新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から厚生労働省が公表している「新しい生活様式」の実践例としても、モバイル決済を含む「電子決済の利用」が推奨されています。

メリット⑤拡大する需要に応えられる

近年利用者が増加しているキャッシュレス決済は、今後も高い需要が見込まれています。

2020年6月経済産業省の発表によると、2010年に13.2%だったキャッシュレス決済比率は、2019年には26.8%と倍以上に増加しています。

また2020年1月同省の発表によれば、2025年6月までに、キャッシュレス決済比率を4割程度にまで伸ばすとの目標を掲げています。

参考:
経済産業省「第一回の議論の振り返り、日本のキャッシュレス決済比率、決済事業者及び国の開示の在り方について」(2020年6月発表)
経済産業省「キャッシュレスの現状及び意義」(2020年1月発表)

モバイル決済を導入することで、今後も需要の高まりが期待できるキャッシュレス決済を効率的に取り入れることができるのです。

モバイル決済サービス選びのポイント・注意点

モバイル決済サービス選びのポイント・注意点

対応機種・OS

モバイル決済に欠かせないスマートフォンやタブレットは、OSや機種によっては導入したいサービスに対応できない場合もあります。

モバイル決済サービスごとに対応可能なOSや機種が異なるため、契約を交わす前にしっかり確認しましょう。

決済方法の種類

さまざまな決済方法を一度に導入できることはモバイル決済の大きな魅力です。しかし取り扱う決済方法はサービスごとに異なるため、店舗に導入したい決済方法が含まれているかを確認しましょう。

たとえば高額商品を販売する店舗の場合、即時引き落としのデビットカードやチャージ式の電子マネーなどよりも、後払いできるクレジットカードが使われやすいでしょう。

また駅の近くに店舗を構えている場合、客層の多くは交通系の電子マネーを利用していることが予測できます。

このように販売する商品やサービス、店舗の立地条件、客層などによって利用されやすい決済方法は異なります。店舗の状況に合わせて取り入れたい決済方法の優先順位を決めておくとサービスを選びやすくなるでしょう。

支払い回数

高額商品を扱う店舗の場合、支払い回数の選択肢を提供できることは大きなアピールポイントになります。

しかしモバイル決済サービスの中には、分割払いに対応していないものも珍しくありません。消費者が分割払いを希望するケースが想定される店舗へ導入する際は注意しましょう。

入金までの期間および入金回数

モバイル決済では、サービスによって売上金が事業者に入金されるまでの期間が異なります。また、ひと月あたりの入金回数もさまざまです。

条件によって売上の翌日に毎日入金されるケースもあれば、ひと月分がまとめて入金されることもあるのです。

入金サイクルや回数を重視したい場合は、条件も併せて確認することが重要です。

手数料の変動に注意

モバイル決済は手数料の安さも魅力のひとつです。

特にQRコード決済の「PayPay」「LINE Pay」などは、本来であれば店舗側が負担するはずの決済手数料が無料です。しかしその背景にあるのは、サービスの提供開始から多くの加盟店を確保するためのキャンペーンの存在です。

実際に「PayPay」の決済手数料無料は2021年の9月末までで、その後の手数料の具体的な割合は2021年8月31日に発表予定です。

「LINE Pay」も同様に、2021年の9月末までは決済手数料無料、その後は2.45%に変動することが発表されています。

以上は単独でサービスを申し込んだ場合の例ですが、複数のキャッシュレス決済を利用できるモバイル決済サービスにも影響が出ないかを注視する必要があるでしょう。

事業者がモバイル決済サービスを選ぶ際も、申し込み時の手数料の安さだけではなく、今後長く利用することを考え検討することが重要です。

おすすめのモバイル決済(スマホ決済)サービス4選

前項で解説したポイントをもとに、おすすめのモバイル決済サービスをご紹介します。

なおサービスの内容は記事作成時点(2021年5月)のものです。最新の情報はリンク先の各公式サイトでご確認ください。

Airペイ(エアペイ)



対応端末 iOSのみ(対応機種を確認する)
決済方法 ・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード(※別途「Airペイ QR」への申し込みが必要)
支払い回数 一括払いのみ(リボ払い、分割払い、ボーナス払い不可)
入金サイクル 振込先金融機関によって月3回もしくは6回
手数料 ・決済手数料:3.24%~3.74%
・振込手数料:金融機関に関わらず無料(※ゆうちょ銀行非対応)

Airペイは、iOS(iPhoneおよびiPad)に対応したモバイル決済サービスです。

クレジットカードと電子マネーに加えて、「Airペイ QR」へ申し込むことでQRコード決済も利用できるようになります。

振込手数料無料のための条件も特に設けられていないため、これまで利用していた金融機関をそのまま振込先として指定可能です。

STORES(ストアーズ)決済



対応端末 iOS/Android(対応機種を確認する)
決済方法 ・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード
支払い回数 VISA / Mastercardは2回払い、リボ払い可能(※カードの設定によって不可の場合あり)
入金サイクル ・手動入金:最短で翌々日
・自動入金:月に1回
手数料 ・決済手数料:3.24%~3.74%
・振込手数料:10万円以上の振込は無料(10万円未満は200円)

STORES 決済は、一部のクレジットカードで分割払いが可能なことが魅力のモバイル決済サービスです。

手動入金を選択すると最短で翌々日に入金されるほか、金額によっては振込手数料無料も実現します。

iOSおよびAndroidのどちらにも対応していることから、新たな端末を準備したくても気軽に導入できるでしょう。(※対応機種については、公式ページで最新のものをご確認ください)

楽天ペイ


対応端末 iOS/Android(対応機種を確認する)
決済方法 ・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード
支払い回数 一括払いのみ(リボ払い、分割払い、ボーナス払い不可)
入金サイクル ・振込先が楽天銀行の場合は翌日(土日祝も入金可能)
・その他の金融機関は入金依頼の翌営業日
手数料 ・決済手数料:3.24%~3.74%
・振込手数料:楽天銀行は無料(その他は振込ごとに330円)

楽天ペイは、単独でQRコード決済サービスを提供するほか、専用の端末を用いてクレジットカードや電子マネーも導入することができるサービスも提供しています。

また入金先を楽天銀行にすることで、土日祝日を含めた翌日に売上金が入金される点も大きな魅力です。振込手数料もかかりません。

なるべく手数料をおさえたい、入金サイクルのスピーディーさを優先したいという事業者におすすめのモバイル決済サービスです。

Square (スクエア)



対応端末 iOS/Android(対応機種を確認する)
決済方法 ・クレジットカード
・電子マネー
支払い回数 一括払いのみ(リボ払い、分割払い、ボーナス払い不可)
入金サイクル ・最短で翌営業日(三井住友銀行/みずほ銀行)
・その他の金融機関は週に1回
手数料 ・決済手数料:3.25%~3.95%
・振込手数料:無料

Squareは、導入後にかかる費用が決済手数料のみというシンプルさが魅力のモバイル決済サービスです。

売上代金の入金は一部の金融機関では翌営業日、その他の金融機関でも週に1回と頻繁で、振込手数料もかかりません。

決済手数料が他のモバイル決済サービスよりも少々高いものの、入金サイクルを重視したい事業者におすすめです。

さいごに

Airペイ STORES決済 楽天ペイ Square
対応端末 iOSのみ iOSおよびAndroid
決済方法 ・クレジットカード
・電子マネー
・QRコード
・クレジットカード
・電子マネー
支払い回数 一括払いのみ 分割可 一括払いのみ 一括払いのみ
入金サイクル 月に3回/6回 最短で翌々日 最短で翌日 最短で翌営業日
決済手数料 3.24%~3.74% 3.25%~3.95%
振込手数料 無料 10万円以上無料 楽天銀行は無料 無料

モバイル決済サービスは、多種多様で複雑になりやすいキャッシュレス決済を同時に複数導入することができます。

専用の決済端末とiPhoneなどのモバイル端末をオンラインで接続することで、幅広いシーンでキャッシュレス決済を利用可能です。

店舗へキャッシュレス決済の導入をお考えの場合は、ぜひこの機会にモバイル決済サービスを申し込んでみてはいかがでしょうか。