青色申告の個人事業主がクレジットカード払いをした際の仕訳方法について
飲食店やアパレル販売店など、実店舗を運営する経営者にとって2020年はとても厳しい年になりつつあります。新型コロナウイルスの影響で経営持続が難しくなってしまい、残念ながら物理的店舗を手放さなくてはいけない経営者が続出しているからです。
インターネット上の仮想店舗ではなく、実店舗運営にこだわる経営者には「実際のサービスを目の前で感じて欲しい」、「調理もエンターテイメントとして愉しんで欲しい」など、オリジナリティ溢れる戦略でお客様を喜ばしてきたことでしょう。
そんな経営者にとって新型コロナウイルスの存在は、経営危機に追い込まれる同時に、実店舗を引き渡さなければならないという悲しい現実を引き起こしました。
今回の記事では、居ぬき物件のメリットや注意点について解りやすく説明します。
街中でよく目にする「テナント募集」などの不動産会社の張り紙。これは賃貸契約を終了した空き店舗を示していることはお解りですよね。
その空き店舗のほとんどは、店舗の内装設備がないスケルトン状態であることが基本です。
「居抜き物件」とは、前の借主が使用していた設備や家具、装飾品などを残した状態で、次の借主へ譲渡や貸与をする「物件貸し」を意味します。
主に家具(カウンター・テーブル・椅子等)や厨房設備(オーブン・フライヤー・冷蔵庫・調理器具等)がその主体的なアイテムですが、壁紙、照明器具、空調・暖房設備など、取り外しが困難なハード面も「居抜き物件」のアイテムに含まれます。
借主は通常、その物件から退去する際「現状戻し」という条件付きで賃貸契約をします。
しかし、営業のために揃えた設備や家具を手放さなくてはいけないほど、何らかの事情で急を要する退去に至る事があります。
このような「居抜き物件」は、同事業態を運営している、もしくは新規で立ち上げたい方にとって開業までの時間と費用のコストを大幅に下げる事ができます。
店舗の内装工事は、30坪程度の一軒家をリフォームするよりも費用が掛かると言われています。「手放したくて困っているオーナー」と「そのまま貸して欲しい」起業家のマッチングが決まるとこの内装工事費用は必要がなくなるため、win-winの条件で取引することができるのです。
では、居抜き物件を借りる際の、法的な縛りはないのでしょうか?次項では「居抜き物件賃貸の際の建築基準法」についてご紹介します。
前項では「居抜き物件」の概要とメリットについてご紹介しました。この章では「居抜き物件」を借りる場合の法的な手順を例に沿って説明します。
「法的」と言っても、建築基準法の全てを知る必要はありません。これから紹介するガイドラインに沿って、借りる「居抜き物件」と照らし合わせて賃貸契約を進める事が大切です。
ガイドラインの紹介の前に、賃貸契約前までに調査・確認しなくてはいけない項目について説明します。
・前借主がビルのオーナーに隠して違法改築や業態申請をしてないか
・前借主が商業空間として検査済証発行前の段階で営業を開始し現在に至っていないか
・ビルが資金調達のための抵当に入っていたり売却物件として掲示されていないか
上記のように、賃貸契約をする以前の問題があるにも関わらず「居抜き物件」を提供するオーナーやビル管理者がまれに存在します。必ず管理会社に委託し、法的な面から事実関係を整理しておく事が必要です。
東京都内で飲食店の居抜き物件を賃貸契約すると想定して、チェック項目式にガイドラインを抜粋しリストにしました。是非ご活用ください。
※リストの内容は東京都の場合です
【 建築基準法 】
【 消防法 】
【 東京都建築安全条例 】
【 東京都福祉のまちづくり条例 】
希望の居抜き物件が上記の項目を正確に満たしていれば、借主として賃貸契約へ進行することをおすすめします。
上記の他にも、ビルの構造や周辺環境の変化における日照権の変更など特別な事例もあるため、ビルオーナーや管理会社から提供される資料をもとに行政側へ相談しましょう。
スケルトンの状態から新規店舗を開設するのではなく「居抜き物件」を賃貸して営業すると良い「人」と「業種」を参考としてご紹介します。
人を大きく2つに分けると「直感型」「慎重型」に区別できると思います。
皆さんはいかがでしょうか?
「あ!この洋服いいかも!」と思うと直ぐに購入まで到達するタイプなのか、「他の店も見てもっと可愛い洋服がないか探してみよう」と思うタイプなのか。
どちらのタイプでも良い部分、悪い部分がありますよね。
「良い居抜き物件」を見つけることができる人は、上記の2つの個性を兼ね揃えた人であると私は思います。自分自身にとって美しく綺麗に見える物件であっても、建築基準法上、違反が無いか確認する倫理的な脳と、直感的に沢山のお客さんで賑わっている絵を描くことができる、ビジュアライズ脳が必要です。
多くの「居抜き物件」を探す借主さんは、少なくても5店舗は内覧を実施していると言われています。見た目や機能だけではなく、店舗を拡張した際のビルの構造や法的な規制をしっかりと把握しながら、優先順位をつけて検証する事をおすすめします。
では次に、どのような業種が「居抜き物件」の借主に向いているのかご紹介します。
・飲食業(客席・厨房・暖房・食器類などが揃っている)
・理美容室(鏡・シャンプー台など水廻り完備されている)
・フィットネスクラブ(機具・ロッカー・受付などの什器が揃っている)
・フォトスタジオ(背景幕・照明器具・試着室や受付などが揃っている)
上記のように、開業するまでに最低限必要な装備器具を準備しなくてはいけない業種にとって、「居抜き物件」はとてもありがたい存在です。
特に大きな器具を必要とするフィットネスクラブや、特殊な装備を必要とするフォトスタジオや理美容室、水回りや調理設備を整備しなくてはいけない飲食業は、居抜き物件を利用することで大幅なコストカットを実現できます。
ただ、居抜き物件を利用できたとしても、駅近や人通りが多い場所にある物件は当然賃貸料が高くなります。この先3年後の現実的な事業計画をもとに適正な賃料を算出し、収益効果の根拠となる数字を把握しておくことも大切です。
今回の記事では、「居抜き物件」を利用するメリットと注意点につい紹介しました。
昨今の新型コロナウイルスによって「物件を手放したい事業主」が急激に増加しています。
居抜き物件だけを取り扱う不動産媒体も誕生している程、日本全国で「居抜き物件」を必要としている人とのマッチングが盛んに行われています。
退去NAVI
費用面だけを見ると、「居抜き物件」はスケルトン状態から創り上げるよりも支出を抑えることができ、現金を蓄えておきたいスタートアップ起業家には嬉しい物件です。
自分自身が理想とされる内装や外装のこだわりの他に、法的な基準をクリアした健全な物件に巡り会える事ができるよう、この記事が皆さんの物件検索の何らかの助けになればと思います。