起業・開業・独立するには何が必要?知っておきたいお金の話【資金編】

start upと女性

ワークライフバランスが重要視されるようになりはじめた昨今、さまざまな働き方をする人が増えています。起業や独立を考えている人も増加傾向にあり、起業家の平均年齢も下がりつつあります。
起業にあたりまず必要になるのが「開業資金」です。起業にはお金が必要と理屈では理解していても、具体的な資金の集め方となると意外に知られていないものです。
そこで今回は、起業・開業・独立するための開業資金・運転資金の詳細や資金調達方法などについてご紹介します。

起業前に最低限準備しておくべき開業資金とその内訳

起業するにあたり必要となるのは「開業資金」だけではありません。事業を運営していく「運転資金」も必要となります。飲食店などの小規模店舗経営をする場合を例に詳しく見ていきましょう。

開業資金とは?

店舗を開業する場合に必要となる資金が「開業資金」です。内訳として「店舗取得費」「改装・設備費」「備品購入費」「広告費」「材料・商品仕入れ費」が必要となります。
また、フランチャイズ加盟での起業の場合は「FC加盟料」も発生します。

運転資金とは?

植木鉢と芽

開業後に必要になる資金が「運転資金」です。人を雇う場合には「人件費」、賃貸の場合は「家賃」、「原材料調達費」「減価償却費」「修繕積立金」などもこれにあたります。
その他、本人の「生活費」や「借入金の返済および利息の支払い」なども運転資金に入るため、起業計画を立てる際に必ず計算しておきましょう。

開業資金の相場

業種や規模、開業する場所にもよりますが、小規模な店舗の場合、一般的な開業資金の平均は約1,000万円といわれています。この開業資金に運転資金を合わせた金額が開業時に必要となる資金総額となります。

開業資金の調達方法

貯金のほか、家族や知人から資金を募るなどをして、完全に自己資金のみで起業することももちろん可能ですが、目標金額まで到達するには相当の時間と労力が必要になります。
自己資金以外の資金調達方法として以下が挙げられます。

日本政策金融公庫を利用する

眼鏡とビジネスプラン
日本政策金融公庫は、2008年に4つの政府系金融機関が統合して発足された、資本金の全額を日本政府が出資している政策金融機関です。
民間の銀行から資金調達を受けにくい中小企業や、起業志望者への資金融資などを行っており、特に起業資金融資には積極的なため、起業家が利用しやすい金融機関といえます。

融資にあたっては一定条件を満たさなければならなく、国による審査もあります。それに通らなければ融資を受けることはできませんが、開業資金のうち半分以上が自己資金によってまかなわれていれば、比較的融資の審査が通りやすいといわれています。

また、事前の起業プランがしっかりしているほど審査が通りやすく、融資の条件が緩和される傾向があるため、融資を申請する際は、事業計画をしっかりと立てるようにしましょう。

助成金・補助金を利用する

助成金や補助金とは、国や地方公共団体、民間団体などから返済不要の給付金をもらえる資金援助制度です。
代表的なものとして、以下の4つが挙げられます。

・創業促進補助金:新たに創業を予定している人が対象
・小規模事業者持続型補助金:卸売業・小売業・サービス業・製造業などの小規模事業者が対象
・中小基盤人材確保助成金:起業時に人材を雇用する中小企業が対象
・地域中小企業応援ファンド:地域の特産品や観光資源を活用した事業など、地域コミュニティーへの貢献度が高い新規事業開発を行う企業が対象

その他にも民間団体や企業が行っている助成金・補助金制度もあります。自分が起業する内容に当てはまるものがあれば、各主催団体に相談してみましょう。

信用金庫の融資を利用する

飲食店舗に限らず、幅広い業界で利用されているのが信用金庫の融資です。
その中でもメジャーなのが、信用保証協会の信用保証付きの制度融資で、銀行に対して「万が一のときは、企業の代わりに返済をします」という補償をしてくれるのが特徴となっています。
信用金庫はその地域に根付いた金融機関のため、地方での起業の際に比較的融資が受けやすいといわれています。